スーパー玉出、肉のハナマサと業務提携締結-2024年6月14日発表、ハナマサ化やPB商品導入も

関西地場大手食品スーパー「フライフィッシュ(スーパー玉出)」(本社:大阪市西成区)は、首都圏地場大手業務用食品スーパー「花正(肉のハナマサ)」(本社:東京都港区)と業務提携を締結したことを2024年6月14日に発表した。

老舗業務用食品スーパー、関西進出発表したばかりだった

花正は1923年に東京都江戸川区で創業。1948年に初代法人「花正」を設立した。1977年には焼肉バイキング店1号店として「肉のハナマサ幕張店」、1983年に業務用食品スーパーとして「肉のハナマサどっきり市場銀座店」を開店するなど業容を拡大。
最盛期となる2008年初頭には首都圏各地の市街地・繁華街に100店舗超を展開していたが、中国産冷凍食品問題を背景に、同年2月に店舗の半数弱(47店舗)を一斉閉店。同年3月に食品スーパー事業を現法人に移行する構造改革を実施し、同年9月に「全日本食品(全日食チェーン)」子会社、2013年9月に茨城県地盤の食品スーパー「ジャパンミート(現JMホールディングス)」子会社となった。
2024年現在はJMホールディングス主導のもと花正事業の再拡大に取組んでおり、6月12日には関西1号店(千日前店・九条店)の開店を発表したばかりだった。
ハナマサプラス根岸店(東京都台東区)。

経営再建進めていた大阪の名物スーパー

スーパー玉出は1978年創業。同社は「日本一の安売王」を称し、看板企画である「1円セール」や24時間営業を実施。最盛期には大阪府南部を中心に食品スーパー60店舗弱、不動産業、カラオケ、ボウリング場を幅広く展開していた。
同社は前田託次氏(創業者/当時)が持つインパクトの強さやパチンコ店を彷彿させるネオン管を多用した内外装、道頓堀への広告出稿もあり、全国的な知名度を誇っていたが、2013年以降新規出店を凍結し不採算店舗の整理を開始した。
2018年7月には新会社「フライフィッシュ」に運営を移行し、従来からの激安イメージを踏襲しつつ、スマホ決済導入やインバウンド対応、SNS発信強化、高級食品スーパー「F.Fマルシェ」事業に取組んだが、経営改善の遅れやコロナ禍を背景として、2023年までに店舗数を半減していた。2024年6月14日現時点の店舗数は26店舗となっている。
玉出名物1円セール(大阪市西成区)。

玉出は西成周辺に店舗集約、残る店舗はハナマサ転換も

フライフィッシュ(スーパー玉出)と花正(肉のハナマサ)は、2023年より本格的な業務提携交渉を進め、譲渡対象店舗の選定や対価・PB商品の取引内容など細部を詰めていたという。
両社間の業務提携にともない2024年秋以降、玉出は「中核エリアである西成区及びその周辺地域」に経営資源を集中、西成区外の一部店舗(5~8店舗)の賃借権を花正に承継したうえで段階的に事業譲渡する。譲渡店舗は花正が「肉のハナマサ」として新装開店するため、スーパー玉出としては閉店することとなる。
スーパー玉出天下茶屋店(大阪市西成区)。

また、玉出が開発中の「生鮮・総菜の新商品」と花正の自社PB商品「プロ仕様」を相互融通することで品揃えの拡充を図るという。

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