山形県酒田市の「酒田商業高校」跡地に、地元不動産会社「丸高」が参画する複合商業施設「いろは蔵パーク」が2025年春に開業する。
いろは蔵パーク。
本間家由来の土地で長年親しまれた商業高校
山形県立酒田商業高等学校は、1907年5月に「酒田尋常高等小学校附設商業補修学校」として開校。1917年12月に「酒田本間家」から寄進を受けた土地である当地に移転し、1962年3月に「山形県立酒田商業高校」となった。2012年4月には山形県による高校統廃合により「酒田市立亀城小学校」仮校舎兼学童保育所に転換、同年8月に酒田市が近隣高校旧校舎との交換により土地建物を取得したが、施設老朽化などを理由として、2019年3月までに段階的に閉鎖していた。
なお、酒田本間家は当地を代表する豪商で、地場大手スーパーの本間物産(マルホンカウボーイ/現秋田伏見屋HD系)や本間ゴルフ(現中国系)の源流となっている。
地元建設会社参画の公民連携型ショッピングセンター
いろは蔵パークは、酒田市による「酒田商業高校跡地整備事業」の一環として、地元建設会社「丸高」が代表法人を務める同名企業が、事業用定期借地権契約(30年契約/年間2,138万円)のもと建設するもので、建物は平屋建2棟で敷地面積は約21,375㎡、建築面積は約7,260㎡(A棟約4,316㎡/B棟約2,944㎡)、店舗面積は約6,700㎡。
いろは蔵パークの建物構成。
施設名は、現在の大阪府泉佐野市を本拠とした廻船豪商「食野家(めしのけ)」の米蔵「新井田蔵(俗称:いろは蔵)」48棟が軒を連ねていたことに由来するもので、「生活利便性が向上する日常生活の拠点、山居倉庫と連携したにぎわいの拠点、自然と人が集まり、出会い、交流と日常的なにぎわいが生まれる商業施設」を目指すとしている。
ト一屋と無印良品を核に県内外有名店を展開
いろは蔵パークには、山形庄内地場大手食品スーパー「ト一屋(といちや)」とライフスタイルストア「無印良品」を核に、輸入食品店「カルディコーヒーファーム」や眼鏡店「JINS」など、県内外の有名専門店が入居する予定。
このほか、地元物産協会の「(仮称)酒田観光物産館」や地元イカ加工食品会社「山形飛鳥」直営店、地元都市ガス事業者「酒田天然ガス」が入居する方針を示しており、地域に長年親しまれた高校跡地が衣食住を幅広くカバーするショッピングセンターとして生まれ変わることとなる。
いろは蔵パーク。
いろは蔵パーク
住所:山形県酒田市上本町7-10(旧酒田商業高校)
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