マリーン5清水屋、2021年7月15日ごろ閉店-70年の歴史に幕、山形県から百貨店消滅

山形県酒田市の中町商店街にある山形県唯一の百貨店「マリーン5清水屋」が、2021年7月15日ごろ閉店する。
追記:7月15日に閉店する予定。

マリーン5清水屋。

庄内地方唯一の百貨店、70年の歴史に幕

清水屋は1950年開店。酒田大火後の再開発で、1978年に「酒田セントラルビル」の核店舗として移転した。
(旧店は「パイレーツビル」として現存)

酒田セントラルビルと中町商店街。

1982年にダイエーと業務資本提携を開始。1994年にダイエー傘下の百貨店「中合」(2020年8月閉店)と合併したが、中合はダイエーのイオングループ入りなどを経て、2012年2月に清水屋の経営を終了した。
その後、酒田セントラルビルが経営を引き継ぎ、同年3月に「マリーン5清水屋」として営業を再開した(これ以降、日本百貨店協会には未加盟となった)。
建物は1階から6階、店舗面積は14,214㎡で、百貨店「清水屋」を核に、テナントとして「宮脇書店」「コスモスベリーズ(ヤマダデンキ)」「キャンドゥ」などが出店する。食品館は全日食に加盟していた。
しかし、2001年に開業した「イオンモール三川」の影響もあり、売上は下降傾向にあった。

隣接地に無印良品が出店、改装を進めたが…

2021年2月には清水屋の隣接地に山形県庄内地方初の「無印良品」が出店。清水屋はそれと同時期にリニューアルをおこない、2021年4月には高層階にあった宮脇書店を1階に移設したほか新テナントを誘致するなど改装を進めていた。
しかし、複数の地元メディアによると5月に酒田セントラルビル時代からのオーナーであった成澤五一社長が死去。今後の経営が見通せないとして閉店を決めたという。なお、今後は自己破産を検討するとしている。

隣接地に出店した無印良品。

NHK山形局の報道によると、2021年3月期の年商は約7億円。これは一般的な食品スーパーの平均年商(中央値)に満たない額である。
山形県では2020年に唯一の百貨店であった「大沼」が倒産。マリーン5清水屋が県内唯一の百貨店となっていた。
店舗では7月1日から閉店セールが開催されている。酒田セントラルビルの今後などについては7月時点では発表されていない。

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