大沼の土地と建物、山形市の公社が2020年12月に落札-競売で

山形県山形市の中心部にあり、2020年1月に破産・閉店した百貨店「大沼」の旧山形本店の土地・建物の競売の開札が2020年12月3日におこなわれ、山形市の外郭団体「山形市都市振興公社」が落札したことが分かった。

大沼山形本店。

大沼跡、秋まで都内コンサルが閉店セールを行っていた

大沼は1700年に創業。1950年に百貨店となった。2020年現在、大沼は山形本店、米沢サテライト(旧・米沢店1階)、新庄ショップの3店を展開していたが、2020年1月26日閉店、27日に破産申請し、閉店していた。負債総額は約4億3千万円であった。 

大沼閉店の経緯はこちら:大沼山形本店、2020年1月26日閉店-27日に破産申請へ

その後大沼の店舗跡では、2020年7月から9月まで不動産会社・商業コンサルタント「やまき」(東京都港区)の主導のもと「閉店セール」が開催された。それと並行してやまきは将来的な大沼の営業再開をめざし、建物の所有者である山形市の実業家と交渉をすすめた。
しかし、土地建物に根抵当権を設定する山形銀行は土地・建物の競売を申し立てており、山形地裁で11月24日から12月1日まで入札がおこなわれていた。売却基準価額は2億3346万円、買受可能価額(最低額)は1億8676万8000円であった。

将来的に「山形市主導」で運営か

山形市の外郭団体「山形市都市振興公社」による大沼の落札額は3億8200万円。
近く山形市により活用方針などが発表されるとみられる。やまき等の民間に貸し出すことによる商用再活用や、一部への公共施設入居も予想される。
一方で、大沼の建物は老朽化が深刻であり、建物を再活用するとしても耐震化工事などが必要になるとみられる。

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