九州を地盤とするスーパー「マミーズ」(福岡県柳川市)は、「マミーズ久留米インター店」「マミーズ善導寺店」「マミーズ太宰府店」「マミーズ中島店」「マミーズ沖端店」「マミーズ諸富店」「マミーズ勝立店」「マミーズ原万田店」の8店舗を11月30日午後6時をもって閉店させることを発表した。
閉店を発表したマミーズ諸富店(佐賀市)。
九州の中堅スーパー、買収で経営規模拡大していた
マミーズの前身は2003年に経営破綻した「オレンジチェーン本部」。
設立以降、炭鉱の購買を起源とする「三井松島産業」(パインバリュー)や地場スーパーの「日の出屋」、「福岡大洋フードセンター」、福岡県内の「トーホーストア」などを買収・事業譲受することで、最盛期となる2011年には九州北部に40店舗を展開していた。
旗艦店のマミーズ久留米インター店(久留米市)。
しかし、その過程で老朽化が進む小規模店舗を多く取得していたこともあり、近年は既存店のリニューアルと不採算店の閉鎖を続け、店舗数を30店舗にまで減らしていた。
寿屋系の建物を再活用したマミーズ善導寺店(久留米市)。
大黒天物産入りに伴い旗艦店含む8店舗を閉鎖
今回の8店舗閉鎖はディスカウント大手「大黒天物産」(岡山県倉敷市)による「マミーズ」の事業一部譲受に伴うもの。
対象店舗にはオレンジチェーン時代から旗艦店として営業を続けていた「マミーズ久留米インター店」や「太宰府市いきいき情報センタービル」(旧ジャスコ・パインバリュー)の食品核として営業する「マミーズ太宰府店」も含まれている。
マミーズ太宰府店(太宰府市)。
今後、大黒天物産グループでは取扱われていないクレジットカード・各種電子マネーでの商品精算、太宰府市の補助により運行する買物サポートカー「マミーズまほろば号」の処遇については未定となっている。
マミーズまほろば号。
今後は「大黒天物産」カラー強まるか
大黒天物産は、マミーズ30店舗のうち今回閉店する8店舗を除いた22店舗を大黒天物産が100%出資する子会社へと承継させる予定。
同社は2012年6月に「西源」(長野県)を買収、2018年3月に「マツサカ」(岡山県)をマミーズと同様のスキームで傘下に収めており、西源では本店を除く全店舗が大黒天物産ブランドの「ラ・ムー」に業態転換、その他の店舗でも大黒天物産のPB商品「ディープライス」の取扱いを開始している。
マミーズが展開する九州北部は価格競争が激しいエリアであり、今後はマミーズでも「ディープライス」取扱いや、将来的には不振店舗を中心に更なる店舗整理、「ラ・ムー」「ディオ」への業態転換の実施なども予想される。
外部リンク:株式会社マミーズの事業の一部譲受に関するお知らせ
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