JR東日本、秋田港貨物駅まで特別列車運行-大型客船発着時の本格運転目指す

JR東日本秋田支社・秋田県・秋田市の3者は、JR東日本秋田駅とJR貨物の秋田港駅(貨物専用)を結ぶ特別列車「秋田港クルーズ列車」の運行を8月3日から6日まで行う。秋田港のシンボル「ポートタワーセリオン」。

クルーズ船乗船客向け、秋田〜秋田港間を直通

秋田港駅は1907年に開設された貨物専用駅で、普段はJR貨物と秋田臨海鉄道が乗り入れる。
今回運行される「秋田港クルーズ列車」は、8月3日から6日まで行われる「秋田竿灯まつり」開催期間中に秋田港へ寄港するクルーズ船乗船客向けの特別列車。
運行区間は秋田駅〜秋田港駅の8.9kmで、所要時間は約15分。秋田〜土崎間はJR東日本の「奥羽本線」、土崎〜秋田港間はJR貨物の「奥羽本線貨物支線」であるため、2社間の直通運転となる。運行区間の位置図。(JR東日本公式サイトより

運行スケジュールは8月3日と4日は朝夜の1往復、5日は昼夜の1往復、6日は朝夜の2往復。
運行車両は気動車4両で、貨物駅のため乗降設備の無い秋田港駅では仮設のタラップを設置して乗降を行う。

2次交通課題の秋田港、将来的な本格運行を目指す

秋田港では、秋田県が2016年度より実施する「クルーズ拠点を生かしたまちづくり」の効果もありクルーズ船の停泊数が増加傾向にあるが、下船後の移動はバスやタクシーなどが中心となることから、乗船客向けの2次交通に輸送力不足が生じていた。
また、鉄道輸送においても秋田港に最も近い旅客駅である土崎駅までは徒歩30分前後を要する一方で、貨物駅である秋田港駅はフェリーターミナルから歩いてすぐの距離にあるため、貨物線を通じた秋田駅への旅客輸送の実現は交流人口拡大を目指す秋田県や秋田市にとって非常に大きな一歩となった。秋田港に最も近い旅客駅の土崎駅。港までは徒歩30分前後かかる。

クルーズ列車のトライアル運行を行う3者は、8月の運行実施後に課題を整理し、2018年度以降の本格運行の可能性について検討を行うという。

ニュースリリース:秋田港クルーズ列車 トライアル運行について(JR東日本秋田支社公式サイト)
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