大阪府大阪市北区茶屋町の大型生活雑貨館「梅田ロフト」が2025年4月30日午後9時をもって閉店した。
梅田ロフト現店舗の閉店記念式典。
若者の街・茶屋町のロフト関西旗艦店
梅田ロフトは1991年4月に日本生命系複合施設「クラレニッセイビル(現JPR梅田ロフトビル)」を全館賃借するかたちで開業。建物は地上8階地下1階建で店舗面積は9,000㎡、営業面積は約5,283㎡。
開業当初は西武セゾングループの関西地域法人「西武百貨店関西」による日本百貨店協会加盟店舗であり、同社としては1971年12月開業の心斎橋パルコ店(1991年5月パルコに承継/2011年9月閉店の旧店舗)以来約20年ぶりとなる大阪市中心部への新規出店であった。
西武百貨店大阪市中心部1号店だった心斎橋パルコ旧店舗。
梅田ロフトは開業当初、コンセプトに「生活情報雑貨館」「PLAY IT YOURSELF」を掲げ、直営化粧品・文具雑貨フロアを核にミニシアター「テアトル梅田」や複合書店「ブックセンターリブロ」、レコードショップ「WAVE」といった西武セゾン系専門店を集積。在阪FM局サテライトスタジオ「FM802ロフトステーション」や飲食サービス系店舗を配すなど、若者の街として発展しつつあった茶屋町という立地特性を背景に、発信をキーワードとした館づくりを打ち出していた。
開業当初からのシンボルゾーン「ムービングサウンドロゴ」。
生活情報雑貨館、35年の歴史に一旦幕
梅田ロフトは開業後も、1998年2月に西武セゾン系ライフスタイルショップ「無印良品」の導入やWAVE増床といった大規模リニューアルを実施、2005年春からは高層専門店フロアの全面刷新(ヴィレッジヴァンガードやムラサキスポーツ導入)を図るなど、茶屋町の象徴的商業施設として営業を続けた。
一方、梅田ロフト隣接地に本社を置く在阪民放・MBS毎日放送の運営会社「MBSメディアホールディングス」が、2021年12月から2022年12月にかけて「日本プライムリアルティ投資法人(JPR)」から施設の信託受益権を取得、2024年1月に7階ワンフロアで営業していたホビーショップ「駿河屋」が撤退するなど、施設の運営環境が変化していた。
梅田ロフトビルの全景。
写真左はMBSメディアホールディングスの本社ビル。
閉店時刻となった21時には、梅田ロフトの柏木淳館長が阪神百貨店への移転を告知したうえで「また新たな梅田ロフトとして、元気にオープンいたします。」「長い間ありがとうございました。」と締めくくり、多くの人に見守られながら35年の歴史に幕を下ろした。
ロフトは阪神梅田本店に移転、跡地活用は未定
JPR梅田ロフトビル閉館と梅田ロフト現店舗閉店は、ロフトの近隣百貨店「阪神梅田本店」6階への移転にともなうもの。
梅田ロフトでは2025年2月28日より「梅田ロフト引越プロジェクト」と銘打った移転プロモーションを開始しており、現店舗最終営業日は茶屋町のシンボルを惜しむ客で朝から賑わいをみせた。
2025年5月現在はMBSメディアホールディングスが施設を所有しているが、跡地活用に関しては未発表となっている。
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