ニューヨークストアとみやま、2024年9月23日全店閉店-102年の歴史に幕、北九州地場大手高級スーパー「ニューヨーク・エボリューション」廃業

福岡県北九州市門司区に本社本店を置く「ニューヨーク・エボリューション」が、高級食品スーパー「ニューヨークストア」「とみやま」全店舗を2024年9月23日に閉店し廃業した。

ニューヨーク・エボリューション本社ビル
(旧ホームセンターとみやま門司店/ワッツ門司柳町店)。

関門の老舗「とみやま」が前身の高級スーパー

ニューヨーク・エボリューションは、1922年3月に「とみやま」として創業、1949年8月に法人化。
とみやまは創業以来長らく、関門地盤の地場大手流通グループとして、ホームセンターや食品スーパーを核とする商業施設「トミーズタウン」に加え、門司港レトロでリゾート施設「ラ・メール」を展開するなど多角化経営を進めていたが、バブル期の過剰投資や競争激化を背景に業績低迷に陥った。
その後、2004年8月に首都圏地場中堅食品スーパー「横須賀産業」がとみやまの優良店舗(スーパー4店舗/ホームセンター2店舗)を取得。新設子会社「ニューヨーク・エボリューション」運営による新体制に移行した。

とみやま門司本店生鮮館(現在は建替済み)。

福岡都市圏での「ニューヨークストア」多店舗化が仇に

ニューヨーク・エボリューションは、横須賀産業や同社社長(谷尾凱夫氏/明治屋産業創業家)との結び付きを活かし、(当時)横須賀産業系高級食品スーパー「もとまちユニオン」のFC展開やノウハウの移植を図るなど、高級路線に舵を切った。

ニューヨークストアもとまちユニオン小倉店。

一環として、2009年10月には福岡市1号店「ニューヨークストア住吉店」を開店。2015年12月の本店建替リニューアルでは、関西の百貨店を中心に展開するサプリスープ専門店「+medi」やインストアベーカリー「阪急ベーカリー」を導入するなど、同業との差別化を進めた。

ニューヨークストアとみやま門司本店。

その後、2016年3月に「ニューヨークストアセントラルパーク店」、同年8月に「ニューヨークストア大橋店」を開店するなど、福岡都市圏での高級食品スーパーの多店舗化を図ったが、2023年8月までに同都市圏から完全撤退するなど失敗。2024年9月23日をもって全店舗を閉店することが決まった。

ニューヨークストア住吉店。

跡地活用は未定、老舗の行方は?

ニューヨーク・エボリューションの運営店舗は、とみやまからの承継店舗(門司店・東町店・桜橋店)、現体制下での新店舗(貫店・住吉店・セントラルパーク店・大橋店)いずれも同業他社が多数立ち並ぶ激戦区にあり、店舗の譲渡先や跡地活用など一切が未発表の状態にある。
ニューヨーク・エボリューションのお膝元である門司では、とみやま時代の地域密着路線と現体制下での高級路線を併せ持つニューヨークストアという業態を根強く支持する顧客もおり、102年の歴史に幕をおろした同社店舗の今後に注目が集まっている。

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