旧・姫路モノレール大将軍駅、解体へ

姫路モノレール大将軍駅が入居していた「公団高尾アパート」が、老朽化による耐震性不足のため近く解体されることが分かった。
高度成長期を象徴するかのような斬新な形態のビルは、その姿を消すことになる。
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大将軍駅の入居する公団高尾アパート。

姫路モノレール唯一の中間駅、延伸計画も叶わず

姫路モノレールは1966年に姫路駅-手柄山駅間で開通。
姫路大博覧会の開催に合わせたもので、路線延長は1.6km、途中駅は大将軍駅のみだった。
当初は姫路市内の飾磨方面、そして鳥取県方面へも延伸するという壮大な計画が立てられていたものの客数は伸びず、1974年に運行休止、1979年に廃止となった。
大将軍駅の入居する建物はモノレールの開通に合わせて1966年に建てられたもので、駅は10階建てビルの3~4階に入居。姫路駅に近かったために利用客は多くなく、末期には通過扱いとなっていたという。

アパートの解体工事は、早ければ今年9月頃から実施される予定。
大将軍駅近くのモノレール軌道沿いにあった赤レンガの工場(山陽色素)も数年前に解体されたばかりで、周囲の景観は大きく姿を変えることになる。

失われゆく「姫路博」の記憶

姫路市では、近年の地震災害などを受けてモノレール遺構の撤去速度を速めているほか、姫路大博覧会に合わせて建設された「手柄山遊園」と「回転展望レストラン」の廃止も検討しており、姫路モノレール、姫路大博覧会の痕跡は急速に失われつつある。
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手柄山。遊園地の一部遊具は既に運行停止。

一方で、手柄山駅跡は2011年からモノレール車両を展示する「手柄山交流ステーション」として再活用されており、モノレール運行当時を忍ぶことが可能だ。このモノレールの展示施設については手柄山遊園の園外となるため、今回の遊園地廃止計画とは関係なく営業を継続する。
なお、モノレール姫路駅の跡地には、2016年4月に「キュエル姫路」が開業している。
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キュエル姫路。

追記:姫路市、大将軍駅見学会を実施-記録計画も

姫路市は、大将軍駅の解体を前に見学会を実施する。
実施日は8月13日~14日を予定。見学には8月5日までの応募が必要となる。
詳細はこちらへ(姫路市ウェブサイト)。
また、姫路市が舞台のアニメ「こうしす!」を制作するOPAP-JPでは、「大将軍駅記録プロジェクト」と称して、姫路モノレールに関する資料の収集や、大将軍駅を映像などで記録する計画を進めており、今回の記録プロジェクトに際してクラウドファンディングも行っている。
詳細はこちらへ(OPAP-JP「大将軍駅記録プロジェクト」)。

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