新宿駅南口に日本最大級の高速バスターミナル「バスタ新宿」(東京都渋谷区)が4月4日に開業した。
バスタ新宿。
JRの線路上に誕生した新バスターミナル
「バスタ新宿」は新宿駅甲州街道改札・新南改札(旧サザンテラス口)から直結の高速バスターミナル。
1999年より国土交通省が約700億円を投じて進めてきた「新宿駅南口地区基盤整備事業」の一環で、施工は大林組、鉄建建設、大成建設、大和小田急建設(フジタ)のJVが担当。
JR線の営業中のJR線の上に新たなビルを建設するという難工事であったが、この「バスタ新宿」の開業により20年近い歳月を費やした南口整備事業は全てが終了する。
「バスタ新宿」ロゴ(国土交通省関東地方整備局ウェブサイトより)。
線路の上に建設された。
日本最大級、本州の全都道府県と直結-観光の拠点に
バスタ新宿は新宿駅周辺にあった19のバス停を集約した施設で、発着するバス会社は118社、1日当たりの発着本数は1,625本(開業時予定、国土交通省発表による)。
バスタの完成により、新宿駅は本州・四国の全府県と福岡県、さらに羽田・成田の両空港ともバスで直結されることになり、日本を代表する「ハブターミナル」として期待される。
バスタ新宿からの高速バスが発着する都市(国土交通省関東地方整備局ウェブサイトより)。
新宿駅から直結
「バスタ新宿」のビルは4階建てで、高速バスの乗り場は4階、降車場は3・4階となっており、新宿駅の甲州街道改札・新南改札を出てすぐのエスカレータやエレベータを上ると直接バス乗り場までたどり着く。
3・4階には、高速バス待合所、きっぷ売場などに加えて、観光案内所「東京観光情報センター」や宅配サービスコーナー、外貨両替カウンター、手荷物預かり所、ロッカー、自動販売機なども設置される。なお、乗り場には売店が設置されていないため、買い物はバス乗り場に着く前に済ませておく必要がある。
4階・バス待合室の様子。
「バスタ新宿」フロア構成概略図(国土交通省関東地方整備局ウェブサイトより)。
タクシー乗り場も集約・バスタと直結、渋滞緩和も
バスタ新宿の3階には大型のタクシー乗り場が設置されており、高速バスやJRからタクシーへの乗り換えも便利になるほか、これまでタクシーで渋滞していた新宿駅周辺の甲州街道の渋滞緩和にも一役買うことが期待されている。
なお、バスタ新宿の開業に伴い、バスタ新宿前の甲州街道(国道20号線)は、新宿4丁目交差点(フォーエバー21前)から西新宿1丁目(ルミネ1前)までが終日駐停車禁止となり、原則として流しのタクシーを捕まえることも出来なくなるので注意が必要だ。
タクシーの乗降が不可となる区間。タクシー乗り場はバスタに集約される(国土交通省関東地方整備局ウェブサイトより)。
始発まで営業する新商業施設「ニュウマン」と直結
また、バスタ新宿は3月25日に開業したばかりのルミネの新商業施設「ニュウマン」(NEWoMan)、オフィスビル「JR新宿ミライナタワー」とも直結。
ニュウマンは朝7時~午前4時までの21時間営業で、始発までの時間つぶしにも使うことができる。
バスタの乗り場には売店などが設置されていないため、高速バスの乗車前に買い物や食事をしたい人はニュウマンを使うと便利だ。
詳しくは:新宿駅新南口「ミライナタワー」「ニュウマン」3月25日開業-全館オープンは4月15日
ニュウマンとミライナタワー。
先述の通り、バスタ新宿の完成により、新宿は本州・四国の全都道府県、福岡県、更に羽田・成田の両空港と直結されることになる。
バスタ内の観光案内所は多言語対応、かつ発着先の観光案内にも対応するという。近年は都内のホテル不足や宿泊額の高騰から夜行バスを宿代わりにする外国人も増えており、バスタから直通の便が出ている観光地は、これを機にインバウンド客の獲得を狙わない手はないであろう。
甲州街道から見た「バスタ新宿」と「ミライナタワー」。南口からは横断歩道を渡ってすぐの位置。
外部リンク:バスタ新宿
外部リンク:開業直前!日本最大の高速バスターミナル「バスタ新宿」を完全解剖!その8つの特徴とは(HBO、都商研提供記事)
関連記事:新宿駅新南口「ミライナタワー」「ニュウマン」3月25日開業-全館オープンは4月15日