オリンピック、三浦屋を完全子会社化-三菱商事系ファンド「丸の内キャピタル」傘下の高級食品スーパー

首都圏地場大手ディスカウント「Olympicグループ」(本社:東京都国分寺市)の食品スーパー事業会社「Olympic」(本社:東京都立川市)は、首都圏地盤の高級食品スーパー「三浦屋」(本社:東京都杉並区)と2024年3月15日付で完全子会社化した。

三浦屋、いなげや系三菱系支援のもと再生図っていた

三浦屋は1924年4月に吉祥寺で創業、1927年4月に法人化。
同社は1953年4月に主力事業のひとつとなる給食食材の外販事業を開始。以後、旗艦店「三浦屋吉祥寺店」(2009年2月閉店)を中心に首都圏駅前での高級食品スーパーの多店舗展開や国分寺駅ビル「国分寺エル(現セレオ国分寺)」でのホール運営など業容を拡大したが、後継者問題や業績不振に直面していた。

三浦屋東伏見店。

三浦屋は2012年10月には首都圏地場大手食品スーパー「いなげや」の完全子会社となり、グロサリー特化型新業態「三浦屋グルメ」の拡大や店舗資材の共通化を推し進めたが、新業態の不振を背景に2019年にいなげやが三浦屋ののれんに10億円の減損損失を計上していた。その後、いなげやグループによる「中長期的な相乗効果」の検討過程で惣菜製造事業をいなげや完全子会社「サンフードジャパン」に分割承継し、2021年8月に三菱商事系ファンド「丸の内キャピタル」傘下として再生を図ることとなった

三浦屋グルメ丸井吉祥寺店。(現在は閉店)

三浦屋をめぐっては、同業高級食品スーパー「成城石井」「クイーンズ伊勢丹(エムアイフードスタイル)」への投資実績あるファンドによる企業価値向上が期待されたが、積極的な店舗展開や既存店のリニューアルを打ち出した成城石井・クイーンズ伊勢丹と異なり、目立った取組みがみられない状況が続いていた。

首都圏中堅同業相次ぎ買収進めるオリンピック傘下に

Olympicグループは創業以来長らく、同業他社と比べ非食品の割合が極めて高いディスカウンターであったが、2012年4月の首都圏地場食品スーパー「カズン」(本社:東京都足立区)子会社化を機に、2020年12月には「優翔(フジマート)」(本社:東京都江戸川区)、2022年9月には「エフワン(新鮮市場エフワン)」(本社:埼玉県所沢市)、2023年11月には「あまいけ」(本社:東京都東久留米市)といった地場を相次ぎ子会社化するなど、M&Aを中心とした事業拡大を本格化。
あわせて、東京都心部(新宿・秋葉原など)に都市型食品スーパーやディスカウントストアを相次ぎ新規出店、既存店の複合業態化(食品スーパー+自転車専門店など)にも取組んでいた。

オリンピック中央林間店。
2024年現在食品の取扱いはない。(神奈川県大和市)

Olympicグループは「食品スーパーマーケット事業については拡充と規模の拡大」を図っているとしたうえで、三浦屋の買収により東京都内での店舗網拡充と商品調達、販売ノウハウによるシナジー効果をめざすとしている。

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