金石堂書店城中店、2018年6月24日閉店-変わる書店街、老舗大型書店も閉店

台北市中正区の書店街「重慶南路」(旧・本町通り、榮町)にある老舗大型書店「金石堂書店城中店」が6月24日に閉店した。
(金石堂書店城中店、6月24日結束營業。)

金石堂書店城中店。

日治時代のビルに出店-歴史的建造物としても知られる

金石堂書店城中店は1984年に開店。開店当時は台湾を代表する大型書店で、金石堂書店の旗艦店として多くの市民に親しまれた。
金石堂書店の建物は1923年に建設された歴史的建造物で、日本統治時代は写真機材店「西尾商店」(西尾商会)であった。
当地は戦前から西尾商店の向かいに台北市最大の大型書店「新高堂書店」(1898年開店)が出店していたこともあり、古くから「書店街」として知られてきたエリア。台北駅や台湾博物館からも近く、日本人観光客にも親しまれてきた。
なお、書店街の基礎を築いた「新高堂書店」は戦後都内に移転し、現在も中目黒駅前で営業中である。

変わる台北の書店街-「駅チカ」で異業種進出相次ぐ

台北市中心部の書店街として永年親しまれた重慶南路であったが、台北駅に近い好立地であるが故に、近年はホテルや飲食店が多く出店。地価の高騰と、近隣エリアへの新興の大型書店出店(誠品書店、アニメイトなど)やネット通販の台頭により、書店が相次ぎ閉店している。

重慶南路の書店街。

金石堂書店は2013年に店舗を改装し、雑貨なども扱う複合書店へと転換したものの、結局34年の歴史に幕を下ろすこととなった。
地元メディアの報道によると、閉店は建物のオーナーの意向によるもの。
今度は新たな店舗が出店するものと思われるが、地域を代表する大型書店の閉店により「書店街の華」がまた1つ消えることとなる。

外部リンク:金石堂:中文書、英文書、雜誌、文具、服飾、禮品、百貨購物
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