カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

「ユニー」と「ファミマ」、2016年中に経営統合へ

スーパーマーケット「アピタ」、「ピアゴ」などを運営し、「サークルKサンクス」を傘下に持つ大手流通企業「ユニーホールディングス」と、コンビニエンスストア国内3位の「ファミリーマート」が2016年中に経営統合する見通しとなった。
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ユニーの店舗(横浜市)。

ファミマ、流通大手の「ユニー」を吸収合併へ

経営統合はファミリーマートがユニーを吸収合併する形で行われる予定。
スーパーマーケット、コンビニエンスストアともに基本的に店舗は存続する。
新社名、店舗の屋号などについては今後発表するとしているが、日本の流通業界を代表する企業どうしの合併だけに、大型の店舗再編がおこなわれる可能性もあり、今後の動きが注目される。

スーパー業界国内3位のユニー、サークルKサンクスも展開

ユニー」は1912年に名古屋で創業した呉服店を前身とし、愛知県稲沢市に本社を置く。
アピタ」、「ピアゴ」、「miniピアゴ」などのスーパーマーケットを関東・中部・近畿地方、香港、中国で展開しているほか、「サークルKサンクス」を傘下に持つ。

コンビニエンスストア業界国内3位のファミマ

ファミリーマート」は1972年に西友の子会社として設立。西武セゾングループ崩壊後は伊藤忠商事系列となっている。
国内全都道府県に出店しているほか、台湾、中国、タイ、フィリピンなどで店舗を展開しており、西武セゾングループ崩壊後も同じくセゾングループであった良品計画(無印良品)とは業務提携関係にある。

外部リンク:ユニー
外部リンク:あなたと、コンビに、FamilyMart

西友大津店跡に平和堂出店-大津駅前出店も改めて表明

2015年4月に閉店した大津市中心部の総合スーパー「西友大津店」跡に中堅スーパー「平和堂」(滋賀県彦根市)が出店を表明した。
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西友大津店。

西友大津店は1975年に開店した地上6階・地下1階の大型店で、大津市中心部の菱屋町商店街に立地。近年は多くのフロアを閉鎖して下層階のみで営業していた。
今回の出店は地元商店会などの要望に平和堂が応えたもの。
店舗は老朽化しているために解体し、跡地に現在より小型の店舗を出店する方針。

また、平和堂はJR大津駅前に立地する「平和堂アルプラザ大津店」を解体して建設される再開発ビルへの小型店出店も改めて表明した。
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平和堂アルプラザ大津。右の建物はJR大津駅。

アルプラザ大津は近いうちの閉店を前提に現在下層階のみで暫定営業中。
オリックス不動産などが主体となった再開発が行われ、下層階に商業施設を備えたマンションとなる予定となっている。
(担当記者:W)

外部リンク:株式会社 平和堂
参考:スーパー「西友」跡地に〝ライバル〟「平和堂」出店へ 大津(産経新聞)

アエル松山、2015年8月26日開業-大街道ラフォーレ跡、アーケードもリニューアル

愛媛県松山市中心部の大街道商店街入口に、複合再開発ビル「アエル松山」が8月26日に開業する。

アエル松山。

大街道入口、「ラフォーレ原宿」跡

「アエル松山」はラフォーレ原宿・松山店跡に森ビルが建設した再開発ビル。ラフォーレ原宿・松山は1983年に「いづみ松山店」(イズミ)跡に開業したが、建物の老朽化により閉店していた。
アエルは地上13階で、伊予鉄道大街道電停前に立地しており、松山市最大の商店街である大街道商店街にも面している。
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ラフォーレ原宿松山。かつてはイズミが営業していたビル。

アエル松山の1階から4階は主に商業施設となっており、尾道市に本社を置く高級セレクトブティック「パリゴ」や、化粧品やファッションアイテムも販売する明屋書店の新業態「SerenDip」、あいテレビ(TBS系)のサテライトスタジオなどが入居。
また、5階から13階は「カンデオホテルズ松山大街道」となる。
カンデオホテルズは四国初出店で、13階のレストランは宿泊者以外も利用可能。すぐ対面には松山城を望むことができる。
なお、カンデオホテルズは8月8日に先行開業する。
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アエル松山のロゴサイン(森ビルウェブサイトより)。

アエル松山の完成に合わせて、大街道商店街のアーケード入口も大きく改修されている。
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リニューアルされた大街道商店街のアーケード入口とアエル松山。

【「アエル松山」入居テナント】
13階:カンデオスカイプラザ(レストラン)
   カンデオスカイスパ(温浴施設)など
  (カンデオホテル内、一部は宿泊者以外も利用可能)
5~12階:カンデオホテルズ(ホテル、215室)
3~4階:THE GRIGHT(結婚式場)
2階:SerenDip明屋書店(化粧品・ファッション雑貨・書店)
   i-studio with 明屋書店(あいテレビサテライトスタジオ)
   Branch Coffee by 81(カフェ・雑貨・今治タオル)
   H.I.S(旅行代理店)
1階:パリゴ(セレクトブティック)
   Serafina New York(イタリアンレストラン)
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(フロア構成画像は森ビルウェブサイトより)

外部リンク: 「AEL MATSUYAMA(アエル 松山)」竣工(森ビル)
外部リンク:生活者視点の新提案型店舗「SerenDip明屋書店アエル店」を8月26日にオープン(トーハン)
外部リンク:カンデオホテルズ松山大街道(カンデオホテルズ)

大丸4店舗にラオックス出店-2015年中に、インバウンド需要対応強化

大丸松坂屋百貨店は、インバウンド需要への対応強化のために「大丸京都店」(きょうとみせ・京都市)、「大丸神戸店」(こうべみせ・神戸市)、「博多大丸福岡天神店」(福岡市)の3店舗に新たにに免税品販売・家電量販店の「ラオックス」を導入することを発表した。

百貨店にラオックス-インバウンド需要の高まりで

各店舗で開設される「ラオックス」の売場面積は約90~210㎡ほど。
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博多大丸福岡天神店。

また、既にラオックスを導入している「大丸心斎橋店」(しんさいばしみせ・大阪市)でもラオックスの増床を行う。こちらの売場面積は約390㎡となる。

外部リンク:訪日外国人客に特化した売場づくりを推進 今秋、4店舗にラオックスを導入(Jフロントリテイリング・大丸松坂屋百貨店)

イオン姫路フォーラス、1月閉店へ

イオンリテールはファッションビル「姫路フォーラス」(兵庫県姫路市)を2016年1月に閉館させることを発表した。
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閉館を発表した姫路フォーラス。

姫路フォーラスは1971年、JR姫路駅から徒歩5分ほどの姫路市中心部に「ジャスコ姫路店」として開店。1987年にファッションビル業態「姫路フォーラス」に転換した。7階には映画館が入居している。
現在は黒字運営だというが、建物の老朽化と耐震性不足、競争の激化のために閉店を決定した。

JR姫路駅前ではファッションビルの出店が相次いでおり、2013年にピオレ姫路が、2015年には映画館を備えた姫路テラッソが開店しているほか、山陽百貨店も大規模改装を実施している。
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ピオレ姫路。JR姫路駅前に立地。

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姫路テラッソ。ピオレの東側に隣接する。

姫路フォーラス閉店後の建物の活用方法は未定。
建物の耐震性に問題があるため、映画館も閉館を検討する。

姫路はジャスコの前身の1つであるフタギの本社があった地。
フタギは1970年にオカダヤ(三重県)などと合併し、ジャスコを設立した。
姫路フォーラスの閉店で、フォーラスは全国4店舗体制となる。

外部リンク:姫路フォーラス

徳山銀南街アーケード、2015年中に一部撤去-JR徳山駅ビル解体も始まる

山口県周南市のJR徳山駅近くの商店街「銀南街」の大部分でアーケード撤去と商店街リニューアル工事が開始された。
1965年に建築された銀南街防火建築帯ビルとなっている部分のアーケードは撤去されない。
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 アーケード撤去作業中の銀南街。既に一部は撤去されている。

核店舗「近鉄松下」も閉店-しかし空き店舗は減少

銀南街はJR徳山駅近くにあり、JR線・ピアモール銀座商店街(旧山陽道)と並行する商店街。
かつては周辺に多くの大型店が立地し、山陽新幹線開通後は山口県内で最も賑わう商店街の1つとなっていたが、近鉄松下百貨店など周辺の大型店は高額な駐車料金が倦厭され2013年までに全て撤退していた。
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2階建商店街となっている防火建築帯ビル部分のアーケードは残る。

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銀南街防火建築帯ビル全景。

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2013年に撤退した近鉄松下百貨店跡。みなみ銀座商店街に立地。

その一方で、銀南街にはかつての大型店内のテナントや百貨店のサテライトショップが相次いで出店、7月末には近くの西京銀行跡にカフェや書店などが入居する商業ビル「bloom&dream」が開店するなど、空き店舗は減少傾向にある。
銀南街のアーケード撤去工事とリニューアルは本年度内に終了する予定。
なお、近くの近鉄松下百貨店跡は一部が2016年より市役所の仮庁舎として活用されることになっている。
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銀南街ビルに出店した北九州市の百貨店「井筒屋」のサテライト店。
この部分のアーケードは残る。

徳山駅ビルも解体

また、8月からはJR徳山駅ビルの解体工事も本格化する。
徳山駅ビル(徳山民衆駅)は1969年に開業、第三セクターの商業ビル「トークス」となっていたが2000年に閉店。
その後は一部が公共施設として使われたのち、2015年3月に全館閉館していた。
すでに駅舎は橋上化されており、2018年までにTSUTAYAが運営する市立図書館を核とした新しい駅ビルが開業する。
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解体工事が開始されたJR徳山駅ビル。

外部リンク: (仮称)新徳山駅ビルの整備イメージについて(周南市)

帯屋町チェントロ、2015年7月31日完成-旧ダイエー高知店跡再開発

高知市帯屋町商店街の再開発ビル「帯屋町チェントロ」が7月31日完成した。
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建設中の帯屋町チェントロ。

帯屋町チェントロが立地する場所は、高知市で最も繁華な商店街である帯屋町商店街の旧ダイエー高知店跡。
2005年のダイエー閉店後は長年に亘って活用策が検討されてきたが、2013年に地元の医療法人などが事業主体となるかたちで再開発ビルが着工された。
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帯屋町チェントロ。建設現場に設置された看板より。

帯屋町チェントロは14階建てで、1階は地場書店「金高堂書店」を核とした商業施設、2階は医療機関と飲食店、3階はオフィスとなっている。4階から14階は賃貸マンション。4階には防災設備を備えたテラスも備える。
また、隣接して建設中の3階建ての商業棟「ピッコロ」は今年9月に開業予定。
こちらはベーカリー・カフェが核となる。2つの再開発ビルの総事業費は約22億円。
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アーケード内に建設されている帯屋町チェントロ(左)。建設中の姿。

一方で、隣接地に高知県と高知市によって建設中の公立図書館は、東洋ゴム工業の免震ゴム偽装問題により完成が大幅に遅れる見込みとなっている。
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建設中の新図書館。
国土交通省四国地方整備局ウェブサイトより引用。

千葉パルコ、2016年11月閉店へ

千葉パルコが40年の歴史に幕を下ろす。
ファッションビル大手の株式会社パルコは「千葉パルコ」(千葉市中央区)を2016年11月に閉店させることを決定した。parco_chiba_1-
千葉パルコ。

開業から40年-地場百貨店跡への出店だった

千葉パルコは火災による経営悪化で閉店した地場百貨店「田畑百貨店」のビルに1976年開店。
 「タワーレコード」、「島村楽器」、「キャンドゥ」、「ユザワヤ」、「ライトオン」、「WEGO」などが入居するほか、地階にはかつてパルコと同じセゾングループであった「西友」が入居している。
後継店舗などは発表されておらず、築年数が高いために解体も予想される。

パルコは千葉パルコ閉店にともない、2016年度第二四半期に約19億円の特別損失を計上する。
(担当記者:W&H)

外部リンク:千葉PARCO

西新エルモールプラリバ(旧岩田屋)7月31日閉店-超高層ビルに

福岡市の副都心である西新駅前の大型商業ビル「エルモールプラリバ」が2015年7月31日に閉店する。
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西新エルモールプラリバ

旧西新岩田屋、34年の歴史に幕

「エルモールプラリバ」は、西新エルモールが百貨店の岩田屋を核店舗として1981年に開店。
2003年の岩田屋閉店後は東京建物が買収、「サニー」、「ユニクロ」、「無印良品」、「リブロ」などが入居する都市型ショッピングセンターとなっていた。
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西新中央商店街側エントランス。商店街にも面していた。

西新地区最高層の超高層ビルに

プラリバの跡地は東京建物が再開発し、約100メートル超(30階建)の高層ビルになる予定。下層階はショッピングセンターやオフィス、高層階は分譲マンションとなる。
福岡市中心部は福岡空港に近いことから高層建築物が少なく、建替え後は福岡市中心部近隣で最も高いビルとなる。
新施設の開業は2018年を予定している。
(担当記者:W)

外部リンク:西新エルモールプラリバ

サンメディラック飯塚、2015年7月25日開業-西鉄バスターミナルを複合ビル化

福岡県飯塚市の旧飯塚バスセンタービル(エマックスイイヅカ)跡地に、再開発ビル「サンメディラック飯塚」が2015年7月25日に開業した。
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サンメディラック飯塚。

新時代のバスセンターは住医共存

「サンメディラック飯塚」は飯塚市中心部に立地。かつてこの場所には西鉄飯塚バスセンターと併設のターミナルビル「エマックス・イイヅカ」が営業していた。
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建替え前の旧飯塚バスセンター・エマックスイイヅカ。

サンメディラックの1階はバスターミナルとローソン、2階から4階は飯塚市と飯塚医師会が運営する医療機関と看護学校、5階から11階は分譲マンションとなっている。
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全フロア案内(西鉄ウェブサイトより)

開業時点で既にマンション部分は全戸完売済み。なお、隣接してショッピングセンター「あいタウン」があるためか、大型の商業テナントは入居していない。

サンメディラックのロゴ。一部は壁面緑化されている。

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東側に隣接するあいタウン。

施工主は西鉄などの地権者による吉原町1番地区市街地再開発組合、総工費は37億円。
公共的役割も強いため、総工費の約半分を飯塚市が負担した。
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吉原町交差点側から見たバスセンター。

1日130本が発着する大型バスターミナル

新しい西鉄飯塚バスターミナルはビル内に3つ、ビル外に2つの乗降場を設けている。出札窓口の営業時間は7時30分から19時まで。
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発着ホーム。

西鉄によると、1日のバス発着本数は約130本で、利用客は約4,000人を見込んでいるという。
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特急バスが発着する3番のりばの案内。

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出札窓口。

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ローソンが入居する。

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あいタウン側の入口。

再開発が進む飯塚市中心部

福岡市の通勤圏である飯塚市中心部ではマンション立地が進んでおり、中心商店街においても各地で再開発やリニューアルが進められている。
今回のバスターミナルビルの新設も、中心部に住む住民の利便性向上と中心市街地の賑わい創出に一躍買うことが期待されている。
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飯塚市の中心商店街(本町商店街)。

飯塚バスターミナルのリニューアルに伴い、隣接するショッピングセンター「あいタウン」では7月31日まで記念セールを実施している。

外部リンク:サンメディラック飯塚、グランドオープン(PDF) (西鉄)
取材協力:停留所めぐり。