三越伊勢丹グループが、経営不振となっている「丸井今井本店」「札幌三越」(札幌市)、「新潟伊勢丹」「新潟三越」(新潟市)、「静岡伊勢丹」(静岡市)の5店舗について、売場面積の縮小や、百貨店としての閉店・業態転換などを検討していることが分かった。
丸井今井札幌本店。
店舗改革、対象は9店舗に
これらを報じた読売新聞によると、この動きは三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長に対する取材によって明らかにされたもの。
特に、丸井今井と札幌三越、新潟伊勢丹と新潟三越については、グループ内で同一商圏の取り合いが起きており、非効率だったという。
このほか、三越伊勢丹では2016年11月8日に行われた中間決算の記者会見で、経営不振となっている「伊勢丹松戸店」(千葉県松戸市)、「伊勢丹府中店」(東京都府中市)、「広島三越」(広島市)、「松山三越」(松山市)の4店舗についても同様の措置を取ることを発表していた。
これらの店舗の今後については、2017年9月までに具体的な改善策をまとめるという。
広島三越。
「完全閉鎖」でなく、縮小・業態転換・譲渡など目指す
なお、大西洋社長は2016年11月に行われた記者会見のなかで「業績低迷が続く店舗は、閉鎖を前提とせず、売り場面積の縮小やほかの企業と提携した開発などを検討し、収益力の改善を図っていきたい」としている。
そのため、いずれの店舗も建物全体を完全閉鎖する訳ではなく、直営売場面積の縮小、ファッションビル・専門店ビルへの転換、他社への売却などを目指していく方針であると考えられ、「完全閉鎖」を避けて「百貨店業態のみにとらわれることなく、時代に合わせるかたちで店舗の存続へ向けた抜本的改革をおこなう」という明るい動きであると捉えることもできる。
(追加情報があり次第、更新いたします)
関連記事:多摩センター三越、2017年3月閉店-旧そごう、ココリア多摩センターの核店舗
関連記事:千葉三越、2017年3月閉店
関連記事:艦隊これくしょん×三越、11月23日抜錨-異色のコラボ、まずは全国3店舗で
関連記事:三越伊勢丹、4店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-建物の「完全閉鎖」は避けたい考え
関連記事:日本橋三越、2020年までに全面リニューアルへ
関連記事:三越伊勢丹がCCCと業務提携、Tポイント導入