昨年5月に閉店した川崎駅前の百貨店「さいか屋川崎店」の建物の解体工事が2015年度中にも開始される。
さいか屋川崎店。
川崎駅前で唯一の百貨店だったさいか屋
さいか屋は1867年に創業した呉服店系百貨店。東証2部上場で、筆頭株主は京浜急行電鉄。現在は横須賀店(創業店舗)、藤沢店、町田ジョルナ店の3店舗が営業している。
さいか屋川崎店は1956年の開店、地上8階、地下1階、売場面積は約21,000㎡の規模。
川崎店の土地・建物は長年に亘ってさいか屋が所有していたが、2009年に固定資産税や維持管理費などの軽減のため投資ファンドに売却、その後は賃借入居して営業を続ける方針であったが、投資ファンドと条件が合わず、建物賃借を延長できずに2015年5月31日を以て閉店。さいか屋跡のビルは空き店舗となっていた。
東京・横浜の百貨店と比較して庶民的な雰囲気だった。
川崎駅東口にはかつて「さいか屋」のほかにも「小美屋(現在の「さくら野百貨店」)」、「岡田屋」、「川崎西武」などの百貨店があったが、小美屋、西武は既に閉店、岡田屋モアーズは複合商業ビルに業態転換しており、さいか屋の閉店で全ての百貨店が姿を消した。現在、川崎市の百貨店は武蔵小杉駅前のショッピングセンターに入居する「西武そごう 武蔵小杉」のみとなっている。
なお、閉店後にさいか屋は川崎日航ホテル3階にサテライトショップ・ギフトサロンを開設している。
市内唯一の百貨店「そごう西武 武蔵小杉」も規模は大きくない。
跡地の活用方法は?
さいか屋跡は現在投資ファンドの保有であるが、具体的な跡地活用方法については発表されていない。
その一方で、川崎市は今年「川崎駅周辺総合整備計画改定案」を策定しており、さいか屋跡地やその周辺地域において建築制限を実施、パチンコ店、風俗店などの遊興施設や、一般住宅などの新規建設は行えなくなる。
解体後は超一等地に大きな空き地が現れることになり、今後が注目される。
駅前一等地に生まれる空き地に注目が集まる。
外部リンク:「川崎駅周辺総合整備計画改定(案)」について(川崎市)