北海道旭川市の買物公園商店街にある都市型ショッピングセンター「マルカツデパート」が、2022年10月5日以降営業継続できなくなった。
マルカツ、運営会社が変わったばかりだった
マルカツデパートは松村呉服店として1918年創業。1936年に丸勝松村百貨店に改称し、百貨店化した。
旭川マルカツデパート。
隣接する丸井今井旭川店とともに、旭川を代表する百貨店として営業していたが、西武百貨店進出など競争激化にともない1970年代に経営が悪化。日本百貨店協会から脱退、百貨店事業を段階的に縮小したのち、ショッピングセンターに転換した。
近年は長らく「住友信託銀行」や「ローンスター」など、金融機関や投資ファンド等が所有していたが、2011年に北海道札幌市に本社を置く「海晃ホールディングス」(旧本社は名寄市、のちHIRホールディングス)が施設を取得、さらに、2021年には札幌市に本社を置く不動産会社「シックスセンス」傘下企業が取得し、現在は同社傘下の企業が管理・運営していた。なお、館内にはHIRが運営する売場も残っていたとみられる。
売場面積は11,954㎡で、近年はアニメイトやキャンドゥ、マツヤデンキなどが出店。一方、核店舗だった道内大手スーパー「ラルズマート」は2017年に閉店している。
新会社社長、詐欺で逮捕-突然の閉店
マルカツはもともと老朽化により近く閉館する予定だったため、多くのテナントは閉店セール中であった。
地元大手メディア各社の報道によると、突然の閉店は運営者が逮捕されたことにより電気代が払えなくなったため。
管理・運営している企業の社長が空き床を貸しスタジオであると詐称し、新型コロナウイルス感染防止対策の協力支援金をだましとろうとしたとして逮捕。資金が暴力団へと流れていた可能性もあるという。それにより、電気料金の支払いがおこなわれておらず、北海道電力が10月6日に電気を止めることを通告。同日を前に閉店することとなったという。
日本百貨店協会に加盟していた大型商業施設が電気料金を払えずに営業を取り止めることとなったのは、2000年に閉店したアヅマヤ百貨店(延岡市)以来とみられる。
建物の今度や跡地の活用方法などは、10月時点では発表されていない。
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