兵庫県たつの市のJR姫新線本竜野駅近くの商業施設「赤とんぼ広場ショッピングセンター」と入居する総合スーパー「イオン竜野店」が2022年10月31日に閉店する。赤とんぼ広場ショッピングセンター・イオン竜野店。
1973年開業の老舗ショッピングセンターだった
赤とんぼ広場ショッピングセンター(SC)は本竜野駅近くの国道179号線沿いに立地。売場は1階から3階、売場面積は12,549㎡でたつの市最大の商業施設となっている。核店舗は総合スーパーの「イオン竜野店」で、テナントとして家電量販店「ジョーシン」、ゲームセンター「モーリーファンタジー」のほか地元衣料品店を中心とする専門店街「赤とんぼ広場一番街」が入居している。SC名の「赤とんぼ」は童謡「赤とんぼ」を作詞した三木露風が竜野の出身であったことから名付けられた。
閉店の告知。
赤とんぼ広場SCの当初の運営会社「竜野開発」は1972年、龍野商工会議所の役員らが中心となり発足。旧龍野市堂本地区の約2万3,000㎡の土地を買収、建物を建設した。当初は入居予定だった総合スーパー「ジャスコ」が入居を取りやめたため、敷地を総合スーパーの「ダイエー」が買収、ダイエーが核店舗となる形で赤とんぼ広場SCは1973年12月に開業した。1974年には専門店街のテナント43店を募集したが、前年の第1次オイルショックの影響などにより入店条件の大幅譲歩にも関わらず集まったのは23店。工事費約7億円が未払いとなったほか月の赤字が1億5,000万円に上ったため、1976年5月にダイエーに竜野開発の株式75%を譲渡、経営体制を一新する代わりにダイエーが負債約7億円を肩代わりした(のちにダイエーが完全子会社化)。経営体制一新で高収益会社となった竜野開発は1985年12月に業績が低迷していたダイエー系建設会社「第一建設工業」(現・イチケン)と合併。現在も赤とんぼ広場SCの建物はイチケンが所有する。1988年にはダイエーと専門店ビルの間に3階建ての建物を新築し売場面積を増床。1998年2月にはダイエー系低価格ガソリンスタンド「DMガスステーション」が関西圏初の店舗として駐車場内に開店した(現在は撤退)。2016年3月にはダイエーの経営再建の一環として、核店舗がダイエーからイオンへ屋号変更・改装された。
築49年で老朽化ー再出店はしない方針か
赤とんぼ広場SCは開店から約49年が経過し、建物が老朽化。神戸新聞の報道によると売り上げ減少も閉店理由の1つという。
赤とんぼ広場SCの国道179号線を挟んだ向かい側にはイオングループの食品スーパー「マックスバリュ龍野店」を核とする「龍野ショッピングセンター」が立地する。元は兵庫県姫路市に本社を置きジャスコの源流となった企業の1つ「フタギ」が1968年に「フタギ龍野店」(2代目)として開店した店舗で、ジャスコに改称後2006年2月まで営業。閉店後建て替えし2008年にマックスバリュとして再開店した。現在は国道179号線を隔てて同じイオングループの店舗が並立する形になっており一部取り扱い商品の重複もみられることから、イオン竜野店(旧ダイエー)閉店後にイオンを建て替えし再開店する可能性は低いとみられる。イオン竜野店(手前)とマックスバリュ龍野店(奥)。
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