東京都中野区は、JR中野駅北口の大型ホール「中野サンプラザ」と隣接する中野区役所跡地に、野村不動産の複合施設「NAKANOサンプラザシティ」が2028年度をめどに完成する。
NAKANOサンプラザシティ。
全国的に有名なコンサートホール、建替えへ
現在の中野サンプラザは1973年開館。かつては全国勤労青少年会館であったが、民営化にともない現在は中野区などが出資する第三セクター「株式会社中野サンプラザ」が運営している。
コンサートホール、結婚式場、ホテルなどを備え、特に最大収容客数2,222人のコンサートホールは音響設備に定評があり、多くの人気アーティストがその成長の過程で「東京での大型ホール公演の登竜門」としてコンサートを開催。また、「アイドルコンサートの聖地」としても親しまれてきた。
JR中野駅前に立地する。
しかし、近年は老朽化が進んでおり、中野区が隣接する中野区役所の敷地と合わせて再開発・複合施設を整備する計画を発表。
「中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備に係る民間事業者の募集」の結果、2021年1月29日には野村不動産を中核に、東急不動産、住友商事、ヒューリック、JR東日本を施工事業者に、電通や野村不動産ホテルズなどを協力事業者とする案が選定された。
なお、次点となったのは、東京建物を中核に、東宝、三菱地所、三菱地所レジデンス、日本土地建物を施工事業者に、吉本興業やZepp、東宝などを協力事業者とする案であった。
新・サンプラザ、超高層タワーオフィスや音楽ホールに
新・中野サンプラザの街区全体の名称は「NAKANOサンプラザシティ」。
NAKANOサンプラザシティ。
コンセプトは「Culture Driven City Nakano 100」で、文化を原動力とした中野100年のまちづくりをめざすことを標榜する。
超高層棟となる「シンボルタワー」の高層階は展望フロア、オフィス、中層階はレジデンス(住宅)、低層階は商業施設を核として整備。高さは200メートル級になるとみられ、高層階には、旧・中野サンプラザを連想させる斜めのデザインが入る。
大ホール「中野サンプラザ」は現在の3倍以上となる収容人数約7000人規模となるほか、上層階にはホテルを設置、屋上は庭園となる。
新「中野サンプラザ」と大ホールのイメージ。
また、中野駅や中野区役所の新庁舎と接続する街路、駅南北自由通路やスカイデッキも整備される。
新・中野区役所と屋上庭園。
野村不動産は「100年の持続力とグローバルな発信力を持つ都市NAKANO」の特性を活かした開発を実現するとしている。
「NAKANOサンプラザシティ」街区構成。
中野サンプラザは建替え工事に伴い、数年以内に閉館(具体的な時期は未定)。今後、2028年度末までの全面完成をめざして工事が進められることとなる。
(イメージは中野区ウェブサイトより/いずれも計画案のため細部変更の可能性あり)
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