仙台ギグス、2017年5月3日開業-「楽都・仙台」復活へ、東北最大級のライブハウス誕生

宮城県仙台市若林区の仙台市営地下鉄荒井駅前に大型ライブホール「仙台ギグス」(SENDAI GIGS)が2017年5月3日に開業する。
IMG_1602仙台ギグス(イメージパース)。

ライブハウスとしては東北最大級-1560人収容

仙台ギグスは仙台市若林区で建設が進められている集客施設の核となるライブホールで、仙台市地下鉄東西線荒井駅から徒歩1分の距離に立地する。仙台東部道路の仙台東インターチェンジからもすぐの場所になる。
建物は鉄骨2階建てで、1階面積は418㎡、2階面積は192㎡。スタンディング/座席の両方での利用が可能で、音楽ライブからパーティーに至るまで様々な催事に対応する。
収容人数は立見時1,560人、座席設置時816席と、かつてのZepp Sendaiを凌ぐ規模。東北のライブホールとしては最大級となる。
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ライブハウスの内観(イメージパース)。

また、ライブホールの隣接地には、飲食テナントなど10店舗が入る商業施設も整備される。
これらの施設は産電工業(仙台市泉区)が約13億円で整備し、ホールは同社が設立した(株)仙台ギグスが運営する。
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隣接して商業施設も整備される(イメージパース)。

5月3日の開業時には、仙台出身のエンターテインメント集団「白A」の公演が予定されており、今後は全国各地の有名アーティストの全国ツアーの「定番」となることも予想される。

大型ライブハウス「Zepp」撤退から5年、激変する「ハコ」事情

ここ数年における仙台のライブハウス事情は「激動」そのものだった。
かつて、JR仙台駅東口にあった大手ライブハウス「Zepp Sendai」は、最大収容人数が約1,500人と、当時の東北のライブハウスとしては最大規模を誇り、借地契約が切れる2009年には地元音楽ファンの存続運動を受けて契約を延長、震災後には復興支援のための無料ライブが催されるなど、仙台市のみならず東北地方の音楽文化の中心的存在だった。
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閉鎖前の
Zepp Sendai。

多くの音楽ファンから愛されたZepp Sendaiであったが、再度の契約切れと仙台駅東口の再開発に伴い、2012年7月をもって閉鎖。地元では、大手ライブハウスであるZeppの再進出を求める声が多く挙がったが、2017年2月現在も再整備の動きはない。

かつての仙台市は、東京から比較的近いうえに東北各地からの広域集客が見込めるため、有名アーティストのライブツアーに組み込まれることが多く、また、ライブホールや音楽ホールも比較的充実していたために「楽都」とも言われていた。
しかし、Zepp Sendaiの閉鎖により仙台市内からキャパシティ1,000人以上のライブハウスが消滅すると、その影響は、一番町の「仙台Rensa」(700人)や、仙台フォーラス地階の「CLUB JUNKBOX」(450人)と言った市内の中規模ライブハウスにも及んだのみならず、有名アーティストの全国ツアー会場に仙台市が組み込まれなくなるなど、楽都・仙台の音楽文化産業に対しても、深刻な影響を与えていた。
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CLUB JUNKBOXが入居する仙台フォーラス。

2016年からライブハウスが再集積-「楽都」復活なるか

2012年以降、大型のライブハウスが無くなっていた仙台市であったが、2016年3月にJR長町駅前の再開発地区「あすと長町」に最大収容人数1,200人の「仙台PIT」が開業。Zepp撤退から4年目を経て、ようやく大型ライブハウスが復活することになった。
さらに、2016年4月には旧・ヨドバシカメラ跡地の再開発計画の中で、新たな音楽ホールの建設が明らかになる(詳しくはこちらの記事を参照)など、再びライブハウスの集積が起きつつある。
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長町駅前の
仙台PIT。現在は東北最大級のライブハウス。

そして、今回のライブホール「仙台ギグス」の誕生により、晴れて地元音楽ファンの悲願だった1,500人規模の“大ハコ”が復活することになる。
Zepp Sendaiの撤退からおよそ5年。音楽ファンたちの大きな期待を背負うかたちで再び充実することになった仙台市のライブハウスは、今後の「楽都・仙台」の発展にも欠かせないものとなるであろう。
※イメージパースはギグス公式サイトより

プレスリリース:仙台GIGS 施設概要(仙台ギグス公式サイト)
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