ニシムタ、タイヘイを2025年8月19日に完全子会社化-南薩で百貨店的役割担う老舗、鹿児島地場大手傘下に

鹿児島地場流通大手「ニシムタ」(本社:鹿児島県鹿児島市)は、県内同業総合スーパー運営会社「タイヘイ」を2025年8月19日付で完全子会社化した。

南薩で百貨店的役割担ってきた「タイヘイ」

タイヘイは1946年10月に鹿児島県川辺郡加世田町(加世田市を経て現南さつま市)で個人商店「松下商店」として創業、1951年4月に総合衣料品店「松下呉服店」として合資会社化、1960年11月の百貨店本店開店にあわせて会社名を「太平デパート」に変更、1972年2月に株式会社化した。
太平デパートは、1980年3月にグループ会社「太平家具センター」運営による家具インテリア・ホームセンター複合館「タイヘイホームプラザピコ」を開店、1988年4月には食品スーパー共同仕入機構「CGC」に加盟、1993年4月に食品スーパー「タイヘイ食品館加世田店」を開店、同年11月にホームプラザを総合スーパー「タイヘイショッピングプラザピコ」として大規模増床新装開店するなど、衣食住フルラインに業容拡大を図った。
同社は1994年2月の運営会社再編にあわせて現在の社名に変更、1996年6月に総合スーパー「タイヘイ吹上店」を開店するなど南薩地方で影響力を高めた。2011年2月にはピコ店と加世田店を統廃合し新旗艦店「ピコ」として新装開業を実施、南薩のコミュニティ拠点を掲げ百貨店的役割を担っている。
タイヘイショッピングプラザピコ。

ニシムタ傘下入り後も「屋号」「雇用」維持

ニシムタによるタイヘイの完全子会社化は「同じ鹿児島県を拠点に活動し、CGCグループ加盟企業として協業」してきたことを理由としたもので、南薩地方を本拠とするタイヘイに関して「安定した経営基盤と地域密着の店舗運営を強み」と評価している。
新体制下のタイヘイでは、ニシムタ創業家の西牟田敏明氏が両社代表取締役社長を兼任、タイヘイ出身の渡辺健氏が相談役として「業務の円滑な継続と改善に従事する」という。なお、両社が長年CGC加盟企業として協業関係にあるため、CGC商品の取扱いや営業体制(営業時間/従業員/タイヘイコジカカード/ニシムタ発行含むCGC商品券)は従来通りの運用となる。
また、法人格「株式会社タイヘイ」や屋号「ピコ」「タイヘイ」、各種商品券(タイヘイ商品券/南さつま市共通商品券/日置市商工会商品券)をはじめとする決済手段に関しても当面現状維持となる。
※ニシムタ系電子マネー「ニシムタPontaカード」「N‘マネー」は現時点で利用不可能

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