北海道地盤の航空会社「AIR DO」(本社:北海道札幌市)と九州地盤の航空会社「ソラシドエア」(本社:宮崎県宮崎市)は、共同持株会社「リージョナルプラスウイングス」(本社:東京都大田区)を2022年10月3日に設立する。
「北海道」と「九州・沖縄」の翼
AIR DOは1996年11月に「北海道国際航空」として設立。2012年10月に現社名となった。
設立当初の大株主は京セラ系が中心であったが、2002年6月の民事再生法申請を機に全日空と包括的業務提携にかかわる基本合意を締結。
2021年5月時点では日本政策投資銀行、ANA HD(全日空グループ)、双日、北海道財界各社が主な株主となっている。
1998年に就航した羽田-新千歳便をはじめとして、道内各地から本州各地に就航している。
エア・ドゥ「ベア・ドゥJET」(B767-300)。
ソラシドエアは1997年7月に「パンアジア航空」として設立。1999年8月に「スカイネットアジア航空(SNA)」に改称。2011年7月に愛称を「ソラシドエア(Solaseed Air)」に定め、2015年12月に社名を愛称にあわせ改称した。
同社は2004年6月の「産業再生機構」傘下入りを機に、2005年4月に全日空と包括的業務提携を締結。2021年5月時点では日本政策投資銀行に加え、宮崎交通グループ、ANA HD(全日空グループ)も主な株主として名を連ねる。
2002年に就航した羽田-宮崎便をはじめとして、長崎・熊本・大分など、九州・沖縄を拠点に路線展開している。
ソラシドエア「がんばるけん!くま
統合に先駆け、財務基盤強化や共通施策打ち出していた
AIR DOとソラシドエアは、経営再建の過程で全日空と共同運航をおこなうなど、事業効率化に向けた取組みを進めていたが、コロナ禍を背景とする航空需要減少により業績が低迷。
2021年3月期決算ではAIR DOに加えソラシドエアが赤字転落となるなど、財務基盤の回復を喫緊の課題としていた。
そのため、両社は2021年5月28日の両社取締役会により共同持株会社(リージョナルプラスウイングス)設立に関する基本合意書を締結し、2022年10月を目処に経営統合する方針を明らかにした。
共同持株会社ロゴマーク。
2021年6月には共同持株会社設立に先駆け、AIR DOは日本政策投資銀行と北洋銀行に対する第三者割当増資による優先株式発行(70億円)、ソラシドエアは日本政策投資銀行と宮崎地場金融機関2行(宮崎銀行・宮崎太陽銀行)に対する第三者割当増資による優先株式発行(25億円)といった財務基盤強化を実施。
2021年7月から2022年3月まで両社マイルの相互交換や航空券抽選キャンペーンを期間限定で打ち出していた。
「AIR DO」「ソラシド」両社ブランドは存続
AIR DOとソラシドエアは、共同持株会社(リージョナルプラスウイングス)設立により同社の完全子会社となる。
共同持株会社設立を機に、両社では機材調達やシステムを順次共通化、運航機材のうち25機の搭乗ドア横に「無限大∞」のグループロゴを順次貼付・掲出する取組みを進めるが、 両社の航空運送事業許可とブランドは従来どおり維持となる。
協業によるシナジー効果の可能性を表現したロゴ。
両社のイメージカラー融合も特徴のひとつ。
共同持株会社設立記念キャンペーンも
AIR DOとソラシドエアは共同持株会社設立を記念し、2022年9月26日より「ふたつの翼から贈り物キャンペーン」を順次開始。
キャンペーンの一環として、9月26日の特設サイト開設を皮切りに、10月3日からは特別機内サービス(統合先航空会社の看板スープ提供)や特別機内販売(コラボスープセット)、往復航空券・オリジナルグッズの抽選やクレジット入会キャンペーン、設立記念セレモニーを予定している。
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