イオン白子ショッピングタウンサンズ、2021年2月20日閉店-建替えめざして45年の歴史に一旦幕

三重県鈴鹿市の近鉄名古屋線白子駅近くにあるショッピングセンター「イオン白子店(白子ショッピングタウンサンズ)」が、2021年2月20日午後6時をもって閉店した。

閉店当日のイオン白子店。

鈴鹿の大型店の先駆的存在だった

イオン白子店は、1975年3月に総合スーパー「ジャスコ白子店」として開店。1989年4月に「白子ショッピングプラザサンズ」として増床リニューアル開業した。建物は地上3階建、店舗面積は14,065㎡。専門店街は白子商業開発が運営を担う。
サンズはコンセプトに「生活話題館」を掲げ、直営総合スーパーを核に、紳士服「TAKA-Q」、呉服店「きもの錦」、スポーツクラブ・映画館「ザ・スペース」、マツダフォード・スバル車販売店「オートラマ」(いずれも閉店済み)といったイオン系を含む専門店70店舗超が出店。
立体駐車場や”日本初”を称するデジタルからくり時計を備えるなど当時としては最先端のショッピングセンターだった。

子育てカフェやホビーで生き残り図るも老朽化で閉店

鈴鹿市内随一の大型店だったジャスコ白子店だが、1996年11月にイオン鈴鹿ショッピングセンターベルシティ(現・イオンモール鈴鹿)が開業、1998年10月にワーナーマイカルシネマズを併設したマイカル鈴鹿サティ(アピタを経て現・MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店)が開業するなど競争が激化。ワーナーマイカルシネマズ開業に先駆けて、1997年にはザ・スペースを閉館するなど、直営主体の施設として生き残りを図った。

ライバルだったアピタ鈴鹿店。

2018年3月には東海地方地盤の大手総合ホビーショップ「タムタム」(四日市泊から移転)が出店。2019年6月にはNPO法人運営の子育てカフェ「Wara baby cafe」が1階に出店、タムタムが3階に拡大するなど、新たな客層の獲得を図った。
しかし、イオン屈指の古参店舗であったため老朽化が著しいとして、閉店や建て替えが検討されるようになった。

イオンは再出店へ、当面はザ・ビッグが代替店に

イオンは現在の建物を解体後、2023年を目処に新店舗を建設して再出店する方針を示している。一方で、白子商業開発運営の専門店街(サンズ)は消滅する見通しとなっている。
白子駅周辺の国道23号線沿いには、イオングループの食品ディスカウント「ザ・ビッグエクスプレス白子店」が出店しているため、建替期間中はザ・ビッグが事実上の代替店舗となる。
その一方、ザ・ビッグは横断歩道が極端に少ない幹線道路沿いのショッピングセンターという立地のため、徒歩や自転車などを使う近隣の買い物客は、当面のあいだ不便を強いられることとなりそうだ。

閉店セール開催-ロボットは「津に移転」

イオン白子店では、建替リニューアルによる一時閉店を記念して特別セールや記念イベントを開催。館内では開業当初からの写真やチラシに加え、長らく故障中だったスターウォーズをどこか彷彿させるスタイルのデジタルからくり時計のロボット「サンちゃん」「ズン太くん」が展示された。
閉店当日は休日だったこともあり、多くの買物客がサンズ最後の日を惜しんだ。平面駐車場ではサンズの人気企画「キッチンカーテイクアウトマーケット」を開催。館内吹き抜けの展示スペースでは「ロボット2体のイオン津店への移転」が急遽発表され、記念撮影する客で賑わうなど、さながら祭りのような空間となった。

サンちゃん&ズン太くん。閉店当日イオン津店への電撃移籍が発表された。

閉店時刻1時間前の午後5時頃からは、白子店の店員やサンズ専門店街の店主・店員による買物客のお見送りや記念品の配布が始まった。その一方、買物客の入店は閉店時刻直前まで続いたため、レジの行列が精肉・惣菜売場まで到達。
結局、本来の閉店時刻から30分ほど過ぎた午後6時30分に買物客の送り出しを終えることとなった。

集まる店員。

閉店式典は開催されなかったもの、サンズ同友会の岡田会長とイオン白子店濱田店長による挨拶があり、サンズは31年の歴史に、イオン白子店は45年の歴史に一旦幕を下ろした。

岡田会長と濱田店長による挨拶。

今後、店舗は建て替えに向けた解体工事に入るとみられるが、新店舗の規模などについては閉店時点では発表されていない。

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