大分県別府市の南部地区にある商店街「楠銀天街」のアーケードが2024年末までに撤去される。
アーケード撤去が進む楠銀天街。
左は旧若木屋・仁寿堂薬局(現わかきやビル)、右は旧片桐時計店。
旧別府港近くの商店街、大火などで大半が空き家だった
楠銀天街アーケードは1953年に完成、全長は約400メートル。北側で「流川通り商店街」に交差するほか「ソルパセオ銀座商店街」に連絡している。なお、それよりも前の戦前には、隣接する中浜筋商店街とともに幌型のアーケード屋根が設置されていたため、屋根自体は約100年ほどの歴史があると思われる。
アーケードの完成時は北側出口近くに別府港があったものの、1960年代に順次機能が別府国際観光港へと移転、南側出口近くにあった映画館も徐々に閉鎖に。さらに、1986年には中間部近くにあった別府市役所が移転、1992年には商店街内南側にあった「松原市場」と周辺街区が全半焼、2005年には北側にあった楠温泉が老朽化のため解体に。スーパーとの競合のみならず、このような周辺環境の変化に伴って空き店舗が急速に増加した。
楠温泉が解体されたころの楠銀天街。
なお、火災による松原市場の解体と商店街・アーケードへの類焼によって南側のアーケードは短縮されており、現在のアーケードは約350メートルとなっていた。
アーケードを設置した当時の商店会はすでに解散しており、さらに2022年には旧松原市場近くの空き家を行政代執行で撤去したところ街区全体の建物が崩壊してしまうなど、地区全体の老朽化が深刻であった。
2024年度末までにアーケード撤去-現れる古い町並み
アーケードの撤去は2024年春からすでに実施されており、2024年度末までにすべての工事が終わる予定。撤去費用のうち約1億円は別府市が負担する。
アーケード撤去を手伝う猫。
街区の大半の店は戦前に建てられたものであり、アーケードが撤去された部分では多くの店でアーケードに隠れていた戦前のファザードなどが姿を見せている。
楠銀天街では新たな商店会「BEPPU楠銀通り会」(ゆめタウン別府も賛助会員として加盟)を結成、地域振興に向けた取り組みがはじまる。
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