再開発のため2024年3月に閉館した東京都品川区の大崎広小路駅近く・国道1号線沿いにある複合商業施設「TOCビル」(テーオーシービル・東京卸売センタービル)が、2024年9月13日に営業を再開する。
TOCビル。(東京卸売センタービル)
五反田のランドマーク「TOC」復活へ
TOCビルは、親会社であった星製薬の工場跡に1970年3月に開館。星製薬は創業家であり、一時期はSF作家の星新一氏が社長であったことが有名であったが、TOC開館当時は経営再建のためホテルニューオータニなどを経営する大谷家の経営となっており大谷米太郎氏が社長を務めていた。
TOCは、問屋街全盛期だった1960年代当時に通商産業省が主導していた卸売業の近代化計画に呼応して建設されたもので、星製薬再建の切り札でもあった。
館内にある大谷米太郎氏の銅像。
TOCビルは地上13階・地下3階建て、延床面積は約17万4000㎡で、建物は株式会社テーオーシーが所有。当時の五反田では圧倒的な規模の建物であり、地域のランドマークとなった。
館内には多くの小売店、飲食店、卸売店、オフィスなどが入居。会議室、展示室なども備えているほか、屋上には神社も設けられていた。
TOCビル屋上。
テナントとしては近年はユニクロ、アカチャンホンポ、ABC-MART、ユザワヤ、スーツカンパニー、ローソン、サブウェイなどが出店。星製薬(現在は2代目、TOCの子会社)の本社も入居していた。
閉店セールがおこなわれるTOC館内のようす。
TOCの建物は建築から約半世紀が経過、2021年には2023年春の閉館をめざして建替え・再開発計画が始動。のちに閉館時期は2024年3月に延期され、3月31日までに全テナントが撤退した。
(なお、別館の第二TOC~第五TOCは営業を継続している)
当初の新・TOCビル。(TOCウェブサイトより)
新しいTOCビルは地上30階・地下3階建てで、延床面積は約27万6,000㎡、高さ約150mを計画。2027年度の竣工をめざして工事が進められる予定となっていた。
しかし、建築費の高騰などがあったとして、TOCは建て替えを延期。2024年9月13日に営業を再開することとなった。
新生TOC、ユニクロ・ダイソーは旗艦店級-徳の市も再開
TOCの営業再開後の商業フロアは当面1階・地階のみ。徐々に増える可能性もある。
9月13日から再開する店舗のなかにはユニクロなど再出店する店舗も複数みられるほか、ダイソーは隣接する区画(ユザワヤなど)まで増床して3業態を合わせた旗艦店級の複合店舗となる。
また、営業再開に合わせて恒例の「徳の市」が9月13日金曜日から15日日曜日まで開催される。
9月13日以降、今秋中に出店を発表している店舗は以下のとおりとなる。
このほか、オフィスフロアにも複数社が入居する予定となっている。
TOCビルの主な新テナント一覧(商業床のみ)
地階
- ダイソー
:ダイソー
:スタンダードプロダクツ
:THREEPPY - スーツスクエアOUTLET
- ロンドンスポーツ
- 文具店tagステーショナリー
- わがんせ
- 会議室
- ホール
1階
- ユニクロ
- ナチュラルローソン
- エクセルシオールカフェ
- マルミヤOUTLETSTORE
- 千趣会ベルメゾンOUTLET
- バレンザボー
- レインボウ
- クダルティライフスタイルショップモリヨシ
- ナチュラルミスト
- ビセンヌ
- ジェイーコ
- TOCインフォメーション
五反田TOCビル
東京都品川区西五反田7-22-17
営業時間(商業床):10時~20時(一部を除く)
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