イオングループ系大手靴量販店「ジーフット」(本社:東京都中央区)は、親会社「イオン」(本社:千葉市美浜区)と引受契約書を締結し、第三者割当の方法により「総額65億円のB種種類株式」(1株1億円/調達資金65億円)を発行することを2024年12月17日に発表した。
ABCマート、靴チヨダに次ぐ靴量販大手
ジーフットの前身のうち1社となる東海地盤の大手靴量販店「ツルヤ靴店」は1931年12月に愛知県名古屋市で「ツルヤ」として創業、1971年10月にツルヤ靴店として現法人を設立した。
ツルヤ靴店は1989年6月の主力業態1号店「ASBee名古屋パルコ店」開店、1993年10月の首都圏1号店「ASBee下北沢店」開店を機に、ファッションビル(丸井・パルコ・メルサなど)や繁華街への店舗展開を本格化。2000年12月の名古屋証券取引所二部上場後は、2002年10月に関西1号「ASBee伊丹店」を開店するなど、地方都市や郊外型モールへの店舗展開に舵を切ることとなった。

ASBee fam.(大阪市東淀川区/イオングループ外の店舗)
同社は1995年2月にイオン系靴量販店「マイランドシューズ(旧ロマン/伊勢甚系)」と道内大手靴量販店「ダイヤモンド高田」が経営統合するかたちで発足した大手靴量販店「ニューステップ」を2009年2月に吸収合併することで現社名に変更。靴量販店「ASBee(アズビー)」とイオングループ各社直営靴売場「Green box(グリーンボックス)」の2業態を主力とする体制を敷くことで業容拡大を図った。

ASBee.(大阪府門真市/スポージアムとの複合店)
コロナ禍で債務超過、上場廃止回避めざしていた
ジーフットの2025年2月期第2四半期(中間期)売上高は322億7300万円、営業利益は1億1800万円、経常損失は4400万円、中間純損失は1億5900万円。
同社はグループ内外商業施設やダイエー直営靴売場跡への積極展開で店舗網の拡充を図ったが、新型コロナを背景に財務基盤が悪化。2022年2月にはイオンに対する第三者割当の方法により「総額50億円のA種種類株式」(1株1億円/調達資金50億円)を発行し、同年4月にASBeeへのブランド統一を目的としたGreen box既存店の活性化(アズビー化改装)を開始、2023年2月期から2024年2月期にかけて不採算店舗(最大110店舗)を整理、MD構造改革(スポーツ&キッズ中心の品揃えへの再構築)やEC事業強化の方針を打ち出すなど、経営体質の改善をめざした。
一方、2023年2月期には債務超過となり、同年3月1日から2025年2月28日を対象期間とする「上場廃止猶予期間入り銘柄」となっていた。
その後、ジーフットは2023年5月と2024年10月に債務超過解消に向けた取り組みの進捗状況を開示、大株主であるイオンに対して資金面や事業面等の経営支援の要請を続けていた。
イオンによる追加支援で上場維持へ
ジーフットはイオンからの調達資金のうち50億円を借入金弁済、13億3500万円を構造改革のための運転資金にするとしている。(残る1億6500万円は発行諸費用)
今回の調達により同社は上場廃止を回避、イオン主導のもと引続き経営再建に向けた取組みを継続することとなる。
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ピーコックストア下北澤店、2025年1月31日閉店-三省堂書店なども、入居ビル閉館で
東京都世田谷区の下北沢駅前にある「下北沢駅前共同ビル」が、2025年春までに閉館する。
これに伴い、核店舗の「ピーコックストア下北澤店」「三省堂書店下北沢店」「キャンドゥ下北沢店」などは2025年1月31日を以て閉店する。

下北沢駅前共同ビル・ピーコックストア下北澤店。
下北沢のピーコック、三省堂など含め閉店
下北沢駅前共同ビルの核店舗である「ピーコックストア下北澤店」は大丸百貨店子会社のスーパー「大丸ピーコック下北澤店」として1970年3月に開業。店舗面積はキャンドゥ部分なども含め3,157㎡。
永年大丸→Jフロント系(大丸松坂屋百貨店)のスーパーマーケットであったが、2013年にイオングループ入りして現在の店舗名となった。

ピーコックストアの閉店告知。
閉店は老朽化に伴う下北沢駅前共同ビル解体のため。
同ビルにはかつて大丸ピーコック直営フロアだった部分などに三省堂書店(2003年開業)、キャンドゥなども出店しているが、両店ともに1月31日での閉店を発表。そのほかのテナントも春までに退店する見込みとなっている。入居テナントのなかには、すでに一部閉店しているものもあるという。
隣接地を含めて再開発へ
下北沢駅周辺では2019年3月に小田急線下北沢駅を中心に隣の世田谷代田駅から東北沢駅までの地下化が完成。同年11月には新駅舎に商業施設が開業するなど、これに伴う再開発・再整備が進んでいる。
下北沢駅前共同ビルに隣接しており連絡通路で接続する「東洋興業ビル」のテナントも春ごろまでに閉館・閉店(一部は移転)するほか「みずほ銀行北沢支店」は5月に仮店舗に移ることが発表されており、これらの街区全体は一体的に再開発がおこなわれるものとみられる。
再開発の具体的な内容などは現時点で発表されておらず、またイオングループは再出店の計画なども発表していない。
なお、徒歩圏には同じイオングループのダイエー下北沢店が出店している。
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