レナウン、主要5ブランドを小泉グループに売却-2020年8月21日発表、ダーバンなど存続へ

民事再生手続き中のアパレル大手「レナウン」(東京都江東区)は、機能性肌着など下着類を製造している子会社の「レナウンインクス」をストッキング大手の「アツギ」(神奈川県海老名市)に譲渡することを8月20日に、主要5ブランドをアパレル大手「小泉グループ」(大阪府大阪市中央区)傘下の小泉アパレルとオッジに売却することを2020年8月21日に発表した。

レナウン本社が入居する有明・TFTビル。

レナウン、再建スポンサー選定が難航していた

レナウンは1902年に大阪で「佐々木商会」として創業。1923年に英国の巡洋艦「レナウン」に因んで改名された。同社は日本全国と東アジア各地の百貨店や総合スーパーに「アーノルドパーマー(Arnold Palmer)」や「ダーバン(D’URBAN)」「インターメッツォ(INTERMEZZO)」「シンプルライフ(SIMPLE LIFE)」「通勤快足」など多くのブランドを展開していたが、2010年には中国の繊維企業「山東如意科技集団有限公司」(山東省済寧市)の傘下となったのち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2020年5月に倒産していた。負債総額は約138億円であった。
経営破綻当初は6月ごろに再建スポンサーの選定をおこなうとしており、殆どの店舗は営業を続けていたものの、スポンサー選びが難航。2020年7月末ごろには数百店舗が突然閉店する事態となっており、今後が不安視されていた。

老舗・小泉が5ブランドを9月30日から引き継ぐ

小泉グループは1716年に麻布販売業として創業。
中核企業の「小泉アパレル」は全国の百貨店を中心に婦人服ブランド「麻里」等を展開するほか、近年は婦人服ブランド「オッジ」等を展開する「オッジ・インターナショナル」(以下、オッジ)、ファミリー向けアパレル「ゴールデンベア」等を展開する「コスギ」などを傘下に収めている。
小泉グループがレナウンから買収するブランドのうち、「小泉アパレル」が大手百貨店・地方百貨店旗艦店向けカジュアルウェア「シンプルライフ(SIMPLE LIFE)」と地方百貨店・総合スーパー向けカジュアルウェア「エレメントオブシンプルライフ(element of SIMPLE LIFE)」を、「オッジ」がトレンチコートを中心に百貨店で紳士フォーマル・雑貨を販売する「アクアスキュータム(Aquascutum)」、大手百貨店・地方百貨店旗艦店向け向け紳士服「ダーバン(D’URBAN)」、地方百貨店・総合スーパー向け紳士服「スタジオバイダーバン(STUDIO by D’URBAN)」を引き継ぐ。買収時期は2020年9月30日の予定。

「ダーバン」はオッジが引き継ぐ。

なお、アクアスキュータムの雑貨販売(財布など)を継続するかどうかや、シンプルライフはメンズ・レディスともに引き継ぐかなど、展開品目の詳細については8月時点で発表されておらず、続報が待たれる。
これ以外のブランドについては、多くは廃止される可能性が高いものと思われる。
レナウンは経営再建が難航しているため、再生計画案の提出期限を8月17日から2021年2月17日までに延長。
さらに、東京商工リサーチによるとレナウンの連結子会社11社のうち「ダーバンソーイング宮崎」など2社が倒産・5社が事業閉鎖(8月上旬現在)しているほか、すでに店舗一覧などが見れなくなっているレナウン企業サイトについては8月31日をもって閉鎖することを発表している。

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アイスモンスター、2020年9月に日本撤退-台湾大手のフルーツかき氷店

台湾発祥のスイーツ専門店「ICE MONSTER(アイスモンスター)」は、東京メトロ明治神宮前(原宿)駅1番出口前(イベントスペース「jing」の敷地内)にある催事店舗を2020年8月31日に、大阪駅前の「アイスモンスターグランフロント大阪店」を9月6日に閉店し、同日付で日本から撤退する。

ICE MONSTER GRAND FRONT OSAKA.(大阪市北区)

マンゴーかき氷を世界に広めた台湾の有名スイーツ店

アイスモンスターの前身となる「冰館 ICE MONSTER」は、1997年に台湾・台北市の東門・永康街で羅駿樺(Frank Lo)により創業。冰館は芒果冰(マンゴーかき氷)ブームの火付け役となり、日本人観光客にも知られるようになったが、御家騒動を理由に2010年をもって一時閉店した。
その後、2012年に「ICE MONSTER」として大安区忠孝東路に再開業し、台北市内の微風広場松高店や誠品西門店といった大型商業施設への出店を開始。2013年11月にはCNN「世界のスイーツトップ10(Best Desserts Around the World TOP 10)」認定を受けるなど知名度を高め、2014年には中国に、2015年には日本に、2019年には米国・ハワイに初出店するなど、店舗網を世界に広げることとなった。

台北市の店舗。

高級かき氷店として日本進出するもわずか5年で撤退に

アイスモンスターは、2014年11月にコンテンツ産業を手掛ける「トランジットジェネラルオフィス」と食品卸「片岡物産」が共同出資する日本法人「アイスモンスタージャパン」を設立する形で日本に進出。2015年4月に日本1号店「ICE MONSTER OMOTESANDO(アイスモンスター表参道店)」を開店した。
その後は、2016年3月にグランフロント大阪店を、2017年4月に名古屋ラシック店、2018年10月には那覇オーパ店を出店するなど、東名阪三大都市圏と沖縄に常設店舗を出店。トランジット社が展開するイスラエル発祥のチョコレートカフェ「MAX BRENNER(マックスブレナー)」で主力商品やコラボレーション商品を展開、三越伊勢丹と合弁で展開するイベントスペース「SHINJUKU BOX」(クリスピークリームドーナツ跡)や、パルコ(大津・福岡)に期間限定ショップ「ICE MONSTER POP UP SHOP」を出店するなど、トランジット社が展開する他飲食ブランドとのシナジーを活かした積極的な事業展開を打ち出していた。

ICE MONSTER OTSU PARCO POPUP SHOP(滋賀県大津市)。

一方で、日本では主力商品の「マンゴーかき氷」は1570円もするなど(台湾では180台湾ドル(約650円))、かなり高価なスイーツというイメージであり、また冬季限定でホットメニュー「ホットモンスター」の展開もおこなったものの日本では定着せず、夏季以外の集客は芳しくなかったと思われる。

MANGO SENSATION(マンゴーかき氷)

2019年9月には表参道店をグループ他店舗(TOKYO BOX表参道)への業態転換のため閉店、12月には那覇オーパ店を閉店、2020年4月6日から残る2店舗についても新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言発令を受けて臨時休業、5月22日をもって名古屋ラシック店を閉店するなど、かき氷需要の高い夏期を待たずに経営規模を大きく縮小していた。

撤退を前に原宿で8月31日、大阪で9月6日まで催事出店

アイスモンスタージャパンは「新型コロナの感染拡大」を日本撤退の大きな理由だとしている。
日本撤退を前に「FINAL YEAR POP UP STORE」と題して、7月22日から9月6日まで大阪駅前のグランフロント大阪店を催事店舗に転換、7月31日から8月31日まで東京メトロ明治神宮前(原宿)駅1番出口前(イベントスペース「jing」の敷地内)にキッチンカーを催事出店する。

明治神宮前駅前のキッチンカー。

催事店舗では、オリジナルのカップで通常よりも小さいサイズの「カップマンゴーかき氷」(790円)、「カップいちごかき氷」(750円)を展開するなど「気軽に世界一のかき氷が楽しめる」としている。

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