ストライプデパートメント、2022年3月31日までに終了-百貨店向けECサイト運営代行「DaaS」、4月には会社清算

アパレル大手「ストライプインターナショナル」(本社:岡山市北区)は、子会社が運営するECサイト「ストライプデパートメント(STRIPE DEPARTMENT)」と百貨店向けECプラットフォーム「DaaS(Department EC as a Service)」を2022年3月31日までに終了。2022年4月30日をもって会社を解散する。

ストライプデパートメントのポップアップショップ。

百貨店の課題解決掲げたストライプの「ECデパート」

ストライプデパートメントは、2017年2月にストライプとソフトバンクの合弁会社として設立。2018年2月に同名ECサイトの運営を開始した。
上質を知る大人たちのためのECデパートメント」をコンセプトに、開始当初から約600ブランド、6万アイテム超を展開。パーソナルスタイリストによる商品提案サービス「Personal Styling」(1回1,000円/商品購入者は無料)や一度に3着まで申込可能な試着サービス、AIチャットボットといった“接客”を導入していた。

地方百貨店の加盟相次いだ「DaaS」

さらに、ストライプデパートメントは2019年9月に百貨店向けEC開設・運営代行サービス「DaaS」を開始。
店舗数や取扱ブランドの減少といった「国内百貨店が抱える様々な課題解決」を目的として掲げ、加盟百貨店各社が独自の屋号を冠したECサイト(百貨店側のイニシャル・ランニングコストは0円)に送客することで手数料収入を得るビジネスモデルが特徴で、開始当初は「大和」(本社:石川県金沢市)と「トキハ」(本社:大分市)によるポップアップストア開設といった販促も打ち出していた。
また、ネット通販のノウハウや資本に課題をもつ百貨店に参画を呼びかけていた。

ストライプデパートメント・DaaSのシステム。

ストライプデパートメント(DaaS加盟百貨店含む)は2021年4月に会員数20万人を突破、11月には「八木橋」(本社:埼玉県熊谷市)が全国13社目としてDaaSに加盟するなど、加盟百貨店数・会員数ともに増加傾向にあった。

突然の終了で各社のEC戦略に影響も?

ストライプデパートメントによると試着やスタイリングといった各種接客サービスは1月31日をもって終了、ECサイトでの営業は2月28日をもって終了、アカウント情報の確認などは3月31日をもって終了するが、詳細な日程は調整中としている。
同社の解散は「諸般の事情」によるもので、加盟百貨店各社のWebサイトなどを通じて「あくまでECサイトの終了であり、加盟百貨店の運営・営業には一切の営業はない」と告知しているが、唐突なDaaSのサービス終了は百貨店各社のオムニチャネル戦略に少なからず影響を及ぼすものとみられる。

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