文教堂グループHD、私的整理を2019年6月28日開始-事業再生ADR申請で上場・営業維持めざす

大手書店グループ「文教堂グループホールディングス」(神奈川県川崎市高津区、以下文教堂グループHD)が、2019年6月28日に事業再生 ADR手続による私的整理を開始した。

文教堂の創業地・ノクティに出店する文教堂溝ノ口駅前店。

「日本最大のネット書店」など多角化進めたが

文教堂グループHDの中核企業「文教堂」は1949年12月に神奈川県川崎市の溝の口駅前で「島崎文教堂」として創業。1994年7月に株式上場した。
1999年8月に国内最大級(当時)となるインターネット書店「J-BOOK」を開設、2000年10月に北海道の大手書店「本の店岩本」、2002年9月に化粧品大手「ポーラ」傘下の「ブックストア談」を買収するなど、全国展開を本格化。2003年からは新業態「文教堂ホビー」(B’s Hobby)1号店を出店し、プラモデル・模型専門店に参入、2005年にはゲオと提携するなど、事業多角化を進めた。

文教堂ホビー。


「サブカル」を軸に再建図るも業績不振が深刻化

業界に先駆けて事業多角化を進めた文教堂であるが、ネット書店の台頭や同業他社との競争から経営不振の常態化が顕著にみられるようになった。
経営再建の一環として、2008年3月に純粋持株会社化を伴う機構改革を実施、2008年12月から2009年3月にかけて取次大手「トーハン」を中心に取引先を対象とした第三者割当増資を相次ぎ実施、さらに不採算店舗を閉鎖することで、経営安定化を図ったほか、2009年9月には大日本印刷(DNP)傘下の書店大手「ジュンク堂書店」(現・丸善ジュンク堂書店)が筆頭株主となり、DNP主導のインターネット書店「honto」への参画や丸善ジュンク堂及び緊密な関係にある喜久屋書店への「文教堂ホビー」出店を進めるなど、事業の合理化を目指した。
なお、2016年10月の丸善ジュンク堂書店による取次大手「日本出版販売」(以下、日販)への全株式譲渡により、現在は日販が筆頭株主となっている。

文教堂と丸善ジュンク堂書店が共同出店する「コングロM」。

2011年には、次世代の主力業態としてアニメ・コミック専門店「アニメガ」を、さらに、ホビー業態との複合店舗「文教堂JOY」を立ち上げ、大都市圏を中心に展開を進めた。
また、2014年11月には関西地盤の中堅書店「キャップ書店」8店舗を取得、既存店舗のリニューアルを進めるなど事業再構築を目指した。

文教堂アニメガ。

しかし、2013年8月期以降は再び赤字が常態化(2017年8月期除く)。
2018年8月期には約2億3000万円の債務超過、東京証券取引所による上場廃止に係る猶予期間入りの指定を受けていた。

営業継続・上場維持する方針

文教堂グループHDは債務超過解消に向けて様々な経営改善策を実施していたが、2019年8月末までに債務超過解消が困難であることから私的整理の一種である事業再生ADRの申請に至ったという。
今後は既存店の営業を継続しながら上場廃止回避に向けた経営再建を目指すとしている。

外部リンク:TSUTAYA、旭屋書店グループを子会社化-2019年4月に
関連記事:天牛堺書店、2019年1月27日全店閉店-1月28日に破産申請

【PR】アンケートに答えて商品を当てよう!
【令和元年!おでかけ日和キャンペーン】

このエントリーをはてなブックマークに追加