イトーヨーカドー春日部店、2024年11月24日閉店-クレヨンしんちゃんの聖地「サトーココノカドー」、旧店舗から半世紀超の歴史に幕

埼玉県春日部市の東武鉄道春日部駅近くにあるセブン&アイHD系大型総合スーパー「イトーヨーカドー春日部店」が2024年11月24日をもって閉店する。

クレヨンしんちゃんの聖地だった「ココノカドー」

イトーヨーカドー春日部店は1972年4月に開店。1996年12月に隣接地の大型家具インテリア雑貨店「大塚家具春日部本店」跡地周辺一帯を再開発するかたちで新装開店した。現在の建物は地上5階地下1階建で店舗面積は11,725㎡。

イトーヨーカドー春日部店。

イトーヨーカドー春日部店は春日部市を舞台とする人気作品「クレヨンしんちゃん」に登場する大型店「サトーココノカドー」のモデルであり、2017年4月には自治体・同作品とのコラボ企画「オラのマチ・春日部にくれば〜」の一環として、期間限定で「サトーココノカドー」として営業。

作中に登場するサトーココノカドー。(自治体公式より)

店舗塔屋のサトーココノカドー化や作品の世界観を再現した販促セール「みさえ・ザ・バーゲン」を開催するなど、同社店舗を活かしたコラボ企画の先駆けとなった。

イトーヨーカドー春日部店。(2017年11月)

イトーヨーカドー春日部店では、2017年12月から2018年1月に「25周年記念 クレヨンしんちゃん展 in 春日部」を開催。イベントの一環として、店舗塔屋に加えてレシートもサトーココノカドー仕様に変更。電子マネー「サトーココノカドーnanaco」(受注生産)を始めとするコラボ商品の拡大を打ち出すなど、初回同様に利用者から大きな反響を呼んだ。

大量に山積みされたサトーココノカドー仕様のチョコビ。

2018年7月には埼玉県内初となるアニメ特化型の常設情報発信拠点「アニメだ!埼玉 発信スタジオ ~オラが埼玉を紹介するゾ~」を開設。春日部市中心部最大の総合スーパーとして、人気作品の聖地として全国各地から集客を実現していた。

ヨーカドー他店舗と異なる「突然の閉店発表」に

イトーヨーカドーは構造改革の一環として、2024年2月に北海道・東北・信越からの全面撤退と同業他社(ロピアなど)への事業譲渡を発表。2024年7月からは首都圏においても「イトーヨーカドー食品館川越店」「イトーヨーカドー食品館新三郷店」「イトーヨーカドー綱島店」「イトーヨーカドー柏店」といった不採算店を順次閉店するなど、地域経済に一定の配慮をしつつ、店舗整理を急速に進めていた。
一方、春日部店は北海道・東北・信越といった全面撤退地域や首都圏4店舗と異なり、事前告知のない4ヶ月後の閉店という異例のかたちでの幕引きとなった。

クレヨンしんちゃんの聖地の行方は?

クレヨンしんちゃんの聖地として親しまれたセブン&アイHD系の百貨店「ロビンソン春日部店(アクションデパート)」に続き、同じくセブン&アイHD系の総合スーパー「イトーヨーカドー春日部店(サトーココノカドー)」も姿を消すこととなった。
イトーヨーカドー春日部店旧店舗跡の「大塚家具春日部ショールーム」跡地は、2018年に埼玉県内のEC事業者「マキコーポレーション」が取得したもの、2024年7月現在も空きビルとして未活用状態にある
ロビンソン春日部店(西武春日部店)跡の「匠大塚春日部本店」に関しても、当初は地階に食品スーパーの誘致計画があったが、事実上白紙となっており、ヨーカドー旧店舗や匠大塚の二の舞となることを懸念する声も聞かれている。春日部駅周辺では最後の大型総合スーパーであり、同店跡地の行方に注目したい。

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