三井グループ系大手商社「三井物産」は、大手アパレル「ビギHD」を完全子会社化したことを、2024年6月3日に発表した。
日本のファッション文化を牽引した大手アパレル
ビギは1970年7月に大楠祐二・稲葉賀恵・菊池武夫(1984年3月退社)により創業。DCブランドブームを追い風にインテリア雑貨や飲食店経営、ホテル・リゾート開発にまで業容を拡大した。その後も1997年8月には欧州系ファストファッションブランド「ZARA」と合弁会社を設立(2005年12月まで段階的に合弁解消)するなど、日本のアパレル業界を牽引した。2024年6月現在も大手アパレルとして、国内550店舗を展開する。
MEN’S BIGIの店舗イメージ。
2018年より三井物産系と連携強化
ビギは大手アパレルとなる過程で、三井物産とアパレル製品OEMやブランドライセンス面で親密な関係にあり、2018年1月にはMSDファンド(三井物産/三井住友銀行/日本政策投資銀行)がビギHD株式の66.6%を取得、三井物産がビギHD株式の33.4%を取得するかたちで資本業務提携を締結していた。
ビギは新体制となって以降、三井物産系との連携を活かし、2018年4月には英国老舗ニットブランド「JOHN SMEDLEY」日本正規代理店を系列下に収めるなどファッション雑貨事業を拡大。主力ブランド「PINK HOUSE」海外展開を本格化していた。
JOHN SMEDLEYのイメージ。
三井物産は「ビギHDが強みとする創造力、販路や顧客基盤に、三井物産が有する業界横断的な連携、経営・DXのノウハウや国内外のネットワークといった総合力を掛け合わせることで、ビギHDはライフスタイル事業者として、更なる成長を目指します」としており、今後も同社全面支援のもと積極的な事業展開が図られるとみられる。
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