東京都府中市のさくらグループ系食品スーパー「さくら市場館府中フォーリス店」が2020年11月30日午後6時をもって閉店する。
さくら市場館の閉店により、さくら食品デパートから続く60年超の歴史に幕をおろすこととなった。
府中の地場大手企業だった「さくらグループ」
さくらコマースは、1951年3月に東京都北多摩郡府中町(現・府中市)で朝鮮半島出身の全演植・全鎭植氏によりパチンコ店「さくら遊技場」として創業。
創業以来、同社を中核企業とする「さくらグループ」として商業施設の管理・運営や飲食、福祉、馬主事業に経営領域を拡大。1972年9月に立ち上げた高級朝鮮料理・焼肉チェーン「モランボン(牡丹峰)」は、韓国・朝鮮料理に強みを持つ大手調味料メーカーとして発展することとなった。
しかし、さくらグループは2000年代以降、大型複合施設「さくらサンリバー」を閉館(のち解体)、丸正食品チェーン総本店ビル内の「モランボン調理師専門学校」を廃校したほか、新宿・伊勢丹会館を始め都内近郊に多店舗展開していたレストラン事業を大幅縮小。
さらに、2018年にはグループ各社の本社機能を併設する複合商業施設「さくら三番館(旧・忠実屋府中店)」を閉館し「さくら食品館(高橋ビル)」をはじめとする府中駅周辺のビルに分散移転させるなど、経営規模を縮小していた。
減少続くさくらのスーパー、全店舗が営業終了
さくら市場館は1958年に「さくら食品デパート」として創業。最盛期には京王線府中駅前の大型スーパー「さくら食品館」(現在は食品売場を廃止)を始め、都内近郊に食品スーパーやドラッグストアなど10店舗ほど展開していたが、2013年2月に昭島市の「さくらコマース昭島魚河岸店」、2017年9月に車返団地の「さくら市場館くるまがえし店」(丸正食品チェーンを経て閉店)を相次ぎ閉店。1996年4月に再開発ビル専門店街の食品核として開店した「さくら市場館府中フォーリス店」1店舗を残すのみとなっていた。

フォレストサイドビル専門店街フォーリス。
さくら市場館府中フォーリス店は、2015年3月から4月にかけて直営総合弁当・惣菜売場「e-kitchen」や直営韓国食品・韓国食材店「韓国市場」を導入する大規模リニューアルを実施。e-kitchenの弁当は、全国スーパーマーケット協会主催のお弁当・お惣菜大賞2020(のり弁部門)で優秀賞を受賞するなど、グループの強みを活かした弁当・惣菜の開発で競合店との差別化を図った。
一方で、2017年7月にはフォレストサイドビル隣接地に新たな再開発ビル「Le SIGNE(ル・シーニュ)」が開業。Le SIGNEの食品核として京王府中駅ビルから京王ストアが移転、成城石井が新規出店するなど競争が激化した。
こういった背景もあり、さくら市場館では2020年10月1日に11月末での閉店を発表。店内各地のフォトスポットやメッセージボードには、地元客のみならず、さくらコマースと縁の深い競馬ファンからも閉店を惜しむ声が寄せられた。

さくら市場館府中フォーリス店。
府中フォーリス店の閉店により、さくらコマース運営食品スーパー全店が閉店することとなる。
伊勢丹・さくら市場が閉店、核店舗失うフォーリス
府中フォーリスでは、核店舗であった百貨店「伊勢丹府中店」が2019年9月に閉店。伊勢丹跡は2021年中に家電量販店「ノジマ」を核店舗とした商業施設となることが決定しており、新たなスーパーの導入が検討されている。

府中伊勢丹営業当時のフォレストサイドビル。
フォーリス専門店街は伊勢丹閉店後も営業しているが、専門店街の核店舗であったさくら市場館の閉店により、さらなる集客力の低下は否めないであろう。
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MEGAドンキホーテ京都山科店、2020年11月30日開店-椥辻駅近く「ドンキ跡」に再出店
京都府京都市山科区の京都市営地下鉄椥辻駅近くにあったMEGAドン・キホーテ京都山科店跡に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「MEGAドンキホーテ京都山科店」が2020年11月30日午前9時に再開店する。

MEGAドンキホーテ京都山科店。(新店舗)
「グループ400号店」記念店舗だった京都山科店
MEGAドン・キホーテ京都山科店(旧店舗)は、2017年11月22日に京都市内初となるMEGAドンキ業態として開店。建物は地上4階建で、営業フロアは2~3階、売場面積は3,676㎡だった。
旧店舗は「グループ400店舗」を記念する店舗として、外観デザインに同社公式キャラクター「ドンペン」や歌舞伎を意識したデザインを施すなど、ユニークな建物が特徴であったが、わずか1年半後となる2019年4月7日24時をもって閉店。店舗跡は看板や独特な装飾が撤去され、空きビル状態となっていた。

MEGAドンキホーテ京都山科店。(旧店舗)
癖の強い歌舞伎座風の外観とともに約1年半ぶり復活
今回再開店するMEGAドン・キホーテ京都山科店の売場面積は3,119㎡。
再開店にあわせて売場面積を若干減床したもの、旧店舗閉店前と同様の看板や装飾を再設置。「驚安品で溢れる地域密着型の店舗」として、食品(冷凍食品・加工食品・乳製品など)や酒、日用消耗品、化粧品、スマホパーツなどの売場を拡大。休憩スペースやキッズスペース、ゲーム機の体験スペースを設けるなど、幅広い世代の方にお楽しみいただけるアミューズメント性に溢れた店舗を目指すとしている。
競合激しい山科区で今度こそ生きのこれるか
MEGAドン・キホーテ京都山科店の近隣では、高級食品スーパー「阪急オアシス山科店」や地場食品スーパー「マツヤスーパー大宅店」、ボックスディスカウント「サンディ山科椥辻店」に加え、2019年12月にはイオン系のショッピングセンター「イオンタウン山科椥辻」(ダイエーグルメシティヒカリ屋跡)が開業するなど、以前より地域随一の商業激戦区となっている。
その一方、2020年11月現在はイオンタウンにファッション系の業種の店舗が出店していないなど、生鮮品・食料品取扱店舗に比べて衣料・住居関連用品を取り扱う店舗が極めて少ない状態となっていた。
ドン・キホーテによると、京都山科店の閉店に前後して「閉店を惜しむ声」「店舗の復活を望むお客さまのご要望」があったという。同様の形で旧店舗跡に再出店した事例は、栃木県小山市の「ドン・キホーテ小山駅前店」(2015年8月閉店・2017年3月再開店)など少ないため、競合との競争が激しい山科区で今後こそ生きのこれるか注目が集まっている。

京都山科店と同様、閉店約1年半後に再開店した小山駅前店。
MEGAドン・キホーテ京都山科店
住所:京都府京都市山科区椥辻東潰10番1
営業時間:午前9時~午前0時

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