埼玉県所沢市の西武所沢駅近くに「トコトコスクエア(TOCOTOCO SQUARE)」が2020年8月22日からテナントごとに順次開業している。
今後、核店舗の食品スーパー「オーケー所沢店(仮称)」とディスカウントストア・家電量販店「ミスターマックス所沢店」が12月までに開店する。
トコトコスクエア。
38年の歴史に幕をおろした“西武のお膝元”の旧・ダイエー
トコトコスクエアの前身となる「東栄ビル」は1981年11月に開業。建物は地上7階地下1階建で、店舗面積は24,497㎡。
開業当初は、建設予定地の一部を西武グループが取得したことで歪な構造となっていたが、1988年10月の増床を機に現在の建物になった。

東栄ビル・イオン所沢店。
開業当初の核店舗「ダイエー所沢店」は、2005年2月に不採算店舗として一時閉鎖対象となったが、9月には賃料負担軽減を理由に営業継続が決定。2006年3月には直営売場の集約と有力専門店導入を目玉とする大規模リニューアルが行われた。

イオン所沢店時代のエントランス。
一転存続が決定したダイエーであったが、イオングループによる総合スーパー事業運営会社再編のため2016年3月にイオンリテールの「イオン所沢店」に転換。そして、2019年9月には競争環境の変化もあり閉店していた。
イオンの撤退後、2019年10月からはヤマダ電機やアニメイトなど一部専門店が1階に縮小移転して暫定営業を続けていたが、改装工事のため2020年8月20日をもって残る全店舗が閉店した。

暫定営業していた頃のアニメイト所沢店。
ディスカウントスーパー核の施設として再生
トコトコスクエアでは、アニメ・漫画専門店「アニメイト」が2020年8月22日に先行開店。そのほか、家電量販店「ヤマダ電機 by ベスト電器」、100円ショップ「Seria」、「ところ整骨院」が9月4日までに開店している。

アニメイト所沢店。

Seria TOCOTOCO SQUARE店。(9月4日開店)
10月29日には福岡のディスカウントストア・家電量販店「ミスターマックス」、12月上旬には首都圏地盤のディスカウント食品スーパー「オーケー」が開店予定であり、再びスーパーを核とする商業施設として再生することになる。
大型店進出相次ぐ所沢、生活密着路線で差別化
トコトコスクエア周辺では、2019年11月に西武所沢店が百貨店を核とする都市型ショッピングセンター「西武所沢S.C.」として業態転換、2020年9月2日には西武鉄道グループの駅ビル「グランエミオ所沢」が全面開業するなど、大型施設の相次ぐ開業や大規模リニューアルにより施設間競争が激化している。

グランエミオ。
西武所沢S.C.やグランエミオは比較的高級・高付加価値路線の施設であり、低価格志向のスーパーは西友(2015年全面改装)や業務スーパー(2017年12月開店)と少ない。
トコトコスクエアは生活密着型路線の商業施設として差別化を図っていくものとみられ、今後のテナント誘致に期待がかかる。
おもなテナント(随時更新/開業日は予定)
| 階 | 店名 |
| 7階 | |
| 6階 | |
| 5階 | |
| 4階 | アニメイト(8月22日) |
| 3階 | ヤマダ電機byベスト電器(家電量販店)(9月4日) セリア(100円ショップ)(9月4日) ところ整骨院(9月1日) お茶のはなさき(9月上旬) |
| 2階 | ミスターマックス(ディスカウント・家電量販店) (10月29日) |
| 1階 | |
| 地階 | OKストア(スーパー)(12月上旬) ウインリペア(修理・合鍵)(12月1日) ムサシノクリーニング(10月下旬) |
| 未定など | ニトリ |
トコトコスクエア
住所:埼玉県所沢市東町5-22
営業時間:10時~20時(9月時点の主要店舗)
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キッチンジロー、2020年9月30日までに2店舗を残し殆どの店舗を閉店
大手ファミリーレストラン「ジョイフル」(大分市)傘下で、東京都心を中心に展開する洋食レストランチェーン「キッチンジロー」(千代田区)は、2020年9月末までに2店舗を残してそれ以外の全店舗を閉店することを発表した。

閉店するキッチンジロー外神田店。
「シュタインズゲート」や「アキバズトリップ」などの舞台にもなった。
秋葉原や神田で人気の老舗洋食チェーンだった
キッチンジローは1964年に神田神保町で創業。かつては50店舗以上を展開していたが、2020年8月現在は東京都内と大阪市内に15店舗を展開。創業時よりハンバーグなどの洋食メニューが人気となっており、弁当の販売や宅配も実施している。東京都心を中心に展開する小規模チェーンであり、赤字となっていたことから2018 年に西日本最大手ファミリーレストラン「ジョイフル」の傘下となり、経営基盤の強化を図っていた。
秋葉原のジャンク通りに立地する外神田店は、その土地柄アニメ作品などに登場する機会も多く、コラボレーション企画を実施することもあった。
ジョイフル傘下で経営基盤の強化を図っていた
ジョイフルはファミリーレストラン業界3位で、西日本を中心に約800店舗を展開しており、2015年には東京都心に初進出。キッチンジローを傘下にしたあとの2019年にはジョイフルグループのパート・アルバイト社員ほぼ全員(ジョイフル含め全16,929名)を無期労働契約へと切り替えたほか、キッチンジローではバル業態「ほろよいジロー」の出店を進めるなど、グループを通じて経営の立て直しをおこなっていた。
しかし、ジョイフルは2020年の新型コロナウイルス感染拡大による影響で、6月にジョイフルグループの赤字店舗など約200店舗を閉店させることを発表。
8月中には首都圏でも所沢店、横浜あざみ野店など多くの店舗が閉店することとなった。

ジョイフル東京赤坂店。(現在は通常時24時間営業)
2020年10月以降も営業を続けるキッチンジローの店舗は「キッチンジロー九段下店」(東京都千代田区)と「キッチンジロー中之島フェスティバルプラザ店」(大阪市北区)の2店舗。それ以外の13店舗は9月末までに閉店する。
キッチンジローはとくに東京都心の店舗が多く、さらにバル業態の開発も進めていたことから、今回の新型コロナウイルス感染拡大による影響が特に大きかったため多くが閉店することになったと考えられる。
一方で「全店閉店」とはしなかったため、今後残った店舗で何らかの再建策を考えるものと思われる。
外部リンク:ファミリーレストラン ジョイフル
外部リンク:キッチンジロー
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グランエミオ所沢、2020年9月2日全面開業-西武所沢駅ビル、イセタンミラー・TSUTAYAなど126店が出店
埼玉県所沢市の西武鉄道所沢駅に、西武グループと住友商事グループの駅ビル「グランエミオ所沢」が2020年9月2日に全面開業した。

グランエミオ所沢。
2018年3月に先行開業した所沢駅の「グランエミオ」
グランエミオ所沢は、西武グループが2014年に打ち出した「所沢駅東口開発計画」の一環として整備されるもので、建物は地上5階地下2階建、敷地面積は約39,400㎡(西武鉄道ビル敷地含む)、店舗面積は約18,500㎡、延床面積は約116,000 ㎡(既存約49,400 ㎡+増築約66,600㎡)。事業費は約268億円。駐車場台数は494台、駐輪場台数は1,599台。企画・開発・施設管理は西武グループの西武プロパティーズ、企画支援・開発支援・商業施設運営は住友商事と住商アーバン開発が担う。

所沢駅ビル全体の完成図(西口から)。
コンセプトに「コミュニティ型商業施設」を掲げ、2018年3月の一部先行開業(第1期開業)時点では、セブン&アイHD傘下の高級食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」を食品核に、有名セレクトショップ「B:MING LIFE STORE by BEAMS」「URBAN RESEARCH DOORS」やファストファッションブランド「ユニクロ」など70店舗超が出店していた。
西武沿線初、所沢初となるブランドが進出-書店も
グランエミオ所沢では、2020年9月の全面開業(第2期開業)にあわせて、西武鉄道沿線初、所沢市内初を含む49店舗(うち1店舗未定、2店舗開店延期)が新規出店した。
グランエミオ所沢。
1階には、イオングループのアパレル・雑貨専門店「LBC」リブランディング1号店や300円ショップ「3COINS」、金沢カレー専門店「ゴーゴーカレー」、埼玉発祥の回転寿司チェーン「磯のがってん寿司」といった沿線初の雑貨・飲食店に加え、「スターバックスコーヒー」「マクドナルド」「サーティワンアイスクリーム」といった定番の飲食店など10店舗超が出店。
2階には、三越伊勢丹の百貨店向け・ラグジュアリーコスメ(デパコス)セレクトショップ「ISETAN MiRROR Make&Cosmetics(イセタンミラー)」や大手セレクトショップのカジュアルウェアライン「UNITED ARROWS green label relaxing」「URBAN RESEARCH Sonny Label」、フランスのオーガニックコスメ「L’OCCITANE」、パンケーキカフェ「Eggs ‘n Things Coffee」といった沿線初となるブランド、東急ハンズの生活提案型コスメ・雑貨専門店「hands be(ハンズビー)」といった所沢市内初となるブランドなど20店舗超が出店した。
ISETAN MiRROR Make&Cosmetics.

UNITED ARROWS green label relaxing.
所沢駅中央改札と南改札(9月2日供用開始)を結ぶ箇所には、イベントスペース併設の多目的スペース「セントラルプラザ」を新設。大型サイネージやWi-Fiを完備しながら、シンボルツリーや自然光を取り入れた緑あふれる開放的な空間として、地域の情報発信基地としてインフォメーション機能を担うとしている。

新型コロナ(ソーシャルディスタンス)対策も行われる。
3階には、精文館書店(愛知県)とCCC(TSUTAYA)によるブック&カフェ「TSUTAYA BOOKSTORE」(約1,183㎡)や西武ライオンズプロデュースのビュッフェレストラン「LIONS BUFFET BIG DINING」(開店延期)、各種サービス系店舗など20店舗近くが出店。
TSUTAYA BOOKSTORE Grand Emio Tokorozawa.
レストランゾーン「とこテーブル」には、「信州そば処そじ坊」「北京飯店」「牛たん炭焼 利久」「焼肉名菜福寿」といった沿線初となる人気飲食店が出店し、所沢駅前最大級となる飲食店街として大規模増床リニューアルすることとなった。
牛たん炭焼 利久 グランエミオ所沢店。
また、屋外空間の憩いの場「とこにわ」には、所沢駅リニューアル前に展示されていた鉄道モニュメントの展示も復活、屋外空間を活かしたイベントの開催も予定しているという。
とこにわ。
グランエミオ所沢は、第1期開業時の77店舗とあわせて、126店舗が出店する市内有数の規模をもつショッピングセンターとなった。また、施設の全面開業により、西武グループが推進する所沢駅東口開発計画が完了することとなった。
駅前では大規模再開発が進行中、さらなる発展に期待
西武鉄道所沢駅周辺では、所沢市による西武鉄道車両工場跡地(2000年6月閉鎖)一帯の有効活用を目的とした「所沢駅西口土地区画整理事業」が2015年9月から施行。道路の整備やペデストリアンデッキの延伸工事にあわせて、A地区では住友商事・住友不動産が参画する「所沢駅西口北街区第一種市街地再開発事業」の一環として住居主体の複合施設「シティタワー所沢クラッシィ」が建設中、C地区では広域型複合商業施設の開発計画が持ち上がっている。
ファルマン通り周辺においても、東急不動産が参画する「所沢東町地区第一種市街地再開発事業」の一環として住居主体の複合施設「ブランズタワー所沢」が建設中である。
周辺では、西武百貨店が2019年に改装をおこなったほか、旧ダイエー・イオン跡でも2020年12月のグランドオープンを目指して改装が進んでおり、所沢駅周辺は大きく姿を変えることとなりそうだ。
グランエミオ所沢
住所:埼玉県所沢市くすのき台一丁目14番地5
営業時間:10:00~21:00(ショップ)
営業時間:11:00~22:30(レストラン)
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