三重県四日市市の近鉄四日市駅近くに、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH、ドンキ)のディスカウントストア「ドン・キホーテ アピタ四日市店」が2021年10月29日午前9時に開店する。
ドン・キホーテアピタ四日市店。
紆余曲折を経てアピタが出店していた松坂屋跡
ドン・キホーテ アピタ四日市店が出店する商業施設「トナリエ四日市」の前身となる「アムスクエア」は1982年に近隣地に移転した四日市工業高校と近鉄の敷地を合わせた再開発の一環として三井不動産などにより計画され、1991年11月3日に開店した。当初は「松坂屋四日市店」を核店舗とした商業棟・ホテル棟・立体駐車場で構成された大型商業施設であったが、松坂屋は経営難からわずか10年後の2001年に閉店、残る専門店街も2002年までに全店閉店し、2年ほど空き店舗の状態になっていた。
そのため施設の用地等を三井不動産グループが取得、2004年に再オープンさせ、翌2005年に「アピタ四日市店」を核とした「ララスクエア四日市」として完全に営業を再開した。
その後、2021年1月18日に中部電力グループの日本エスコンが建物を取得し、現在の「tonarie(トナリエ)四日市」に名称を変更をしたばかりであった。2021年現在はアピタを核にスターバックス・宮脇書店・ユザワヤ・セリア・109シネマズなどが出店する。
アピタの2階に出店、時間消費型の施設を目指す
ドン・キホーテ アピタ四日市店が出店するアピタ四日市店は同施設の1〜3階に出店しており、ドンキは2階に出店、売場面積は2,979㎡。なお、アピタの3階は大部分にビックカメラ×コジマが出店している。
ドンキとしては愛知県内40店舗目で、UDリテールが店舗を運営する。
改装中のアピタ四日市店・トナリエ四日市。
近鉄四日市駅から徒歩3分という特性を生かし、通勤通学客に喜ばれる家電や雑貨、酒・菓子・珍味に特化することで、食料品や日用消耗品を中心に取り扱うアピタとの相互集客を目指す。また、同施設内には映画館やゲームセンターもあり、アミューズメントを目的として来店する客も多いため、ワクワク・ドキドキしながら買い物を楽しめる時間消費型の施設を目指すともしている。
駅前好立地を活かし「トナリエ」としての初改装
近鉄四日市駅は名古屋線と湯の山線、旧近鉄線の第三セクター「四日市あすなろう鉄道」のあすなろう四日市駅が集まるなど、三重県内で1番の乗降客数を誇る一大ターミナル駅である。その駅前という大きなアドバンテージを持って開店していた松坂屋であったが、当時徒歩圏にはジャスコ四日市店(閉店、解体済)や近鉄百貨店などの競合が多く苦戦し、一度も黒字とならずに10年で閉店に至ってしまった。
トナリエ四日市は三井不動産系から日本エスコン系として再スタートを切ったばかりであり、ドンキ導入(転換)はトナリエとしては初の大型改装となる。駅前というドンキと相性の良い立地での展開により、アピタを含めたビル全体の活性化が期待される。
(写真撮影:文鉄・お札とコインの資料館)
ドン・キホーテアピタ四日市店
住所:三重県四日市市安島一丁目3番31号
営業時間:午前9時〜午後10時
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