大手流通グループ「パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH、旧・ドン・キホーテHD)」傘下の総合スーパー「ユニー」は、完全子会社の「99イチバ(miniピアゴ)」を「G-7ホールディングス(G-7HD)」に12億5000万円で売却することを2020年2月17日に発表した。
miniピアゴ(東京都板橋区)。
ユニーはG-7HDに対し、99イチバ株の80%を2020年4月を目処に売却、残る20%を2022年4月を目処に売却する。
miniピアゴ、業務スーパーFC最大手傘下に
99イチバは2006年1月に、ユニーグループ(当時)の「ユニー」「サークルKサンクス(現・ファミリーマート)」が出資する同名の99円均一ショップ運営会社として創業。ユニーの完全子会社となった2012年2月以降、既存均一ショップ業態「みんなのイチバ」を転換する形で、狭商圏対応ミニスーパー業態「miniピアゴ」を出店開始した。
miniピアゴは、ユニーのPB商品「StyleONE(スタイルワン)」に加え、サークルKサンクスの店内調理惣菜「ごちそうデリカ」を導入、2016年10月には当時資本業務提携関係にあったファミリーマートとのコラボ店舗「ファミリーマート+miniピアゴ」を展開するなど、競合するミニスーパー各社との差別化を目指したが、2020年2月現在の店舗数は73店舗(東京都・神奈川県)に留まっている。
ファミリーマート+miniピアゴ(横浜市港北区)。
G-7ホールディングス(G-7 グループ)は1975年10月に創業。
2020年2月現在は、神戸物産が展開する食品ディスカウント「業務スーパー」FC店舗、自動車用品専門店「オートバックス」FC店舗、農産物直売所「めぐみの郷」、バイク用品専門店「バイクワールド」など、小売卸売業を中心に幅広い事業を展開する。
また、同社の地盤である関西圏では、吉本興業の夫婦漫才師「かつみさゆり」を起用したテレビCMを積極的に放映していることでも知られている。
G-7業務スーパー(大阪市浪速区)。
「miniピアゴ」ブランド、G-7傘下入りで消滅か
今回のユニーによる99イチバ(miniピアゴ)売却は、2020年2月にPPIHグループが発表した新中長期経営計画(Passion2030)に基づき行われたものであり、今後も経営資源の選択と集中を目的とした低収益性事業の売却が行われるものとみられる。
また、miniピアゴの屋号存続について、現時点では詳細が明らかにされていないが、該当する屋号はユニーが展開する食品主体スーパー「ピアゴ」に由来し名付けられたことから、同社がG-7HDに対し全株式を売却する2022年までに新たな店舗ブランドに刷新、miniピアゴブランドは消滅するものとみられる。
関連記事:PPIHグループ(ドンキ)、ドイトの主力事業をコーナンに2020年2月売却-ドンキ傘下となっていた「日本初のホームセンター」
関連記事:ファミマ、ドンキ(PPIH)株を追加取得-2021年8月迄に1000億円以上を投じ持分法適用会社化
関連記事:ドン・キホーテHD、ユニーを完全子会社化-ファミマが売却、進むユニーの「ドンキ転換」
関連記事:コーナン、HIヒロセと資本業務提携-2018年中にヒロセ株の約1割取得