鳥取大丸、2022年8月31日閉店-9月3日から「丸由百貨店」に新装開業、呉服店時代の屋号で原点回帰

鳥取県鳥取市の鳥取駅前にある大丸松坂屋百貨店系の地場百貨店「鳥取大丸」が2022年8月31日をもって閉店する。

鳥取大丸。

鳥取大丸は閉店後、同じ運営会社(丸由に9月1日社名変更予定)のもと「丸由百貨店」として2022年9月3日に新装開業を予定している。

戦前から続く老舗呉服店が前身だった

鳥取大丸は、1937年2月に地場老舗呉服店「由谷呉服店」を前身にもつ百貨店「丸由百貨店」として設立・創業。同年12月に鳥取駅前に店舗(地上4階建)を開業した。
戦後は1949年12月に関西地盤の大手百貨店「大丸」(現大丸松坂屋百貨店)と資本業務提携を締結し現在の店名に改称、1975年に著名建築家「黒川紀章」設計による現店舗(地上5階地下2階建、店舗面積1,1973㎡)への移転増床を実施するなど、鳥取駅前の商業核となった。
その一方、1990年代から郊外型店の進出が本格化、2000年代初頭には近隣のダイエー鳥取駅南店(現鳥取市役所駅南庁舎)が閉店するなど競争環境が悪化。同店東側には、2013年7月に鳥取市主導による大屋根付芝生イベント広場「バード・ハット」が新設されたが、鳥取大丸は依然として業績低迷傾向が続いていた。
そのため、2018年7月には「大丸松坂屋百貨店」や地場公共交通事業者「日の丸グループ」(本社:鳥取市)など数社が出資する旧法人から、日の丸グループや島根県第一地銀「山陰合同銀行」(本社:島根県松江市)系列のファンドが出資する新会社に運営を移行。大丸松坂屋百貨店との資本関係は消滅したもの、商品調達・取引先誘致やライセンス契約面での提携が続いていた。

2018年の地場百貨店化機にリニューアル進めていた

鳥取大丸は新体制移行を機に、2019年9月から低層階(地階~地上4階)に百貨店フロアを集約、2020年4月には高層階(地上5階・屋上階)に新たな商業フロア「TOTTORI PLAY’S(トットリプレイス)」を新設するリニューアルを実施した。
トットリプレイスでは、雑貨ブランド「Afternoon Tea LIVING」「Flying Tiger Copenhagen」や和洋菓子銘店の定期的な催事出店に加え、近隣住民による物販・飲食店舗の催事出店(飲食は1日単位/物販は1ヶ月単位)、屋外ステージでのライブ・ダンスイベントなどに対応するなど、従来と異なる客層の取込みをめざしている。

屋号の原点回帰で「地域密着」鮮明に

鳥取大丸の屋号変更は大丸松坂屋百貨店とのライセンス契約満了によるもの。ライセンス契約満了にあわせ、法人名を「丸由」、店舗名を「丸由百貨店」に改称する。
鳥取大丸は2022年5月18日に山陰初となる高級食品スーパー「北野エース」を導入したばかり。鳥取大丸閉店後も同社発行の友の会会員証や各種商品券、同社提携の各種クレジットカード(NKC鳥取大丸デイリーカード)、ギフト(お中元・お歳暮・二十世紀梨)お届け先リストなどは従来どおり利用可能としており、営業時間・駐車場も変更しない。同社は「百貨店が本来持つ楽しさやワクワクをもう一度取り戻す。賑わいの中心であった鳥取の百貨店へ原点回帰するために、鳥取で暮らす多くのお客様とともに、新しい鳥取の百貨店を目指します。」「これからの丸由百貨店をどうぞよろしくお願いいたします。」とコメントしている。

丸由百貨店(旧鳥取大丸)

住所:鳥取県鳥取市今町2丁目151
営業時間:午前10時~午後7時(2022年9月3日開業予定)

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