大塚家具、ヤマダと業務提携へ-2019年2月発表、日中ファンドから約38億円の資金調達も

家具販売大手の「大塚家具」(東京都江東区)は、家電量販店最大手「ヤマダ電機」との業務提携及び、越境EC事業を手掛ける「ハイラインズ」との資本業務提携による約38億円の資金調達をおこなうことを2019年2月15日に発表した。

IDC大塚家具新宿ショールーム。

大塚家具、将来的にはヤマダ電機への商品供給も検討

ヤマダ電機は2011年に住宅メーカー「エス・バイ・エル」を買収し住宅関連事業に本格参入して以降、2012年に旧日立化成系の住宅設備メーカー「ハウステック」を買収するなど事業強化を推進、家電販売事業との相乗効果が期待される「スマートハウス」の拡販を目指している。
同社は2016年11月、東京都立川市に生活提案型業態「LABI LIFE SELECT」1号店を出店、2017年6月には群馬県前橋市の同社アウトレット店舗跡を業態転換する形で家具・インテリア専門店「インテリアリフォームYAMADA」を出店、同年9月には茨城県ひたちなか市の同社店舗跡に家電製品と家具・インテリアの併売、直営カフェの併設を行う新業態「家電住まいる館YAMADA」1号店を出店しており、2019年1月時点では59店舗を展開する。

 「家電住まいる館YAMADA」は全国へと拡大しつつある。

今回の業務提携は両社の家具・家電販売ノウハウの共有が目的だとしており、将来的にはヤマダ電機家電住まいる館に対する大塚家具商品の供給、法人顧客(ホテル・旅館など)への家電・家具の納入、物流・リフォーム分野における協業も検討されているという。

ハイラインズからの資金調達により中国本格参入目指す

大塚家具はヤマダ電機との業務提携と合わせて、越境EC事業を手掛ける「ハイラインズ」と資本業務提携を締結、ハイラインズ及び日中アライアンスファンドを対象とした第三者割当による新株予約権の発⾏により約38億円を調達する。
大塚家具は、阿里巴巴集団(アリババグループ)の中国大手ネット通販「天猫国際」(T-MALL)に旗艦店を出店するハイラインズとの提携により、中国EC市場への本格参入とアリババ系家具小売大手「北京居然之家云地匯新零售連鎖有限公司」(居然之家/Easyhome/イージーホーム)との関係性強化を目指すという。

再建の道筋が不透明な大塚家具、株価は一時ストップ安に

大塚家具は2015年の大塚久美子社長復帰以降、会員制廃止や中価格帯商品の充実、地方百貨店への小型店・提携店舗出店、中古家具の買取・販売や家具アウトレット事業への参入など経営改革を推し進めているが、売上高及び来客数の減少により経営状況は悪化の一途を辿っている。
2017年11月には貸会議室大手「TKP」と資本業務提携を締結し、旗艦店の一部売場をTKPに転換、2018年12月には「居然之家」(Easyhome/イージーホーム)と業務提携を締結したが再建への道筋は未だに鮮明なものとはなっていない。

TKPとの資本業務提携は今後も継続する。

大塚家具の株価は2018年12月より上昇傾向にあったが、2019年2月14日から2日連続で一時取引停止、2月15日には一時ストップ安となり前日比-15.65%となる388円で取引時間終了を迎えた。

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