ホテルコエ東京、2022年1月31日閉館-ストライプの「グローバル戦略ブランド」コロナ禍で見直し、「koé」わずか3店舗に 

東京都渋谷区宇田川町にある大手アパレル「ストライプインターナショナル」(本社:岡山市北区)のグローバル旗艦店「ホテルコエ東京(hotel koé tokyo)」が2022年1月31日をもって閉館する。 

ストライプのグローバル戦略ブランド「コエ」 

コエは、2014年にクロスカンパニー(当時)創業20周年を記念したグローバル戦略ブランド「KOE」として発足。同年9月にブランド1号店を岡山市北区中仙道に開店した。 
発足直後は欧米進出を見据えたアパレル中心に販売するライフスタイルストアとして地方都市郊外のロードサイド型店舗を標準モデルとしていたが、2015年3月のイオンモール草津出店を機に商業施設のテナントとしての出店を開始。2016年11月には都心初の路面店「KOE HOUSE自由が丘」(カフェ併設)を派生業態として出店するなど店舗モデルの多様化を進めた。
その後は、渋谷へのグローバル旗艦店出店にあわせてロゴマークを「koé」に変更、コンセプトを「Mode for everyone」から「new basic for new culture」に変更するリブランディングを実施。2019年3月にはホテル独自商品を併売するレディス特化型新業態「koé by hotel koé tokyo」と隈研吾設計の本店を有するドーナツカフェ「koé donuts kyoto」を相次ぎ立ち上げるなど、アパレルにこだわらない同社の看板ブランドとして業態開発を進めていた。

koé donuts kyoto.

パルコ跡地のグローバル旗艦店、わずか3年で閉店

ホテルコエ東京は、2007年12月に閉館したパルコのファッションビル「渋谷PARCO Part2」跡地に建設された複合商業施設「ヒューリック渋谷公園通りビル」の核店舗として、2018年2月に開業。地上9階地下1階建、延床面積は約5,307㎡。 
同社初の「ホテル併設型店舗」として、1階にはブレッド&ダイニング「koé lobby」とイベントスペース「koé space」、2階にはアパレル・雑貨ショップ「koé渋谷店」、3階には茶室をコンセプトとしたホテル「hotel koé」(4タイプ10室)を展開。1階でのポップアップショップ定期開催や2階でのスマートレジ(セルフ・キャッシュレス決済対応)導入、一部時間帯での無人営業実施(21時~23時)など「ブランドの世界観に触れられる体験型店舗」としての役割を果たしていた。

hotel koé Tokyo.(2018年当時)

ホテルコエ東京は2020年10月にパンラボ池田浩明氏監修の「hotel koé bakery」を導入するリニューアルを実施するなど話題を集めていたが、同社によると「Covid-19の影響等を鑑み、今後における事業の成長戦略を見直した結果」閉館を決めたとしている。 

店舗数激減、最盛期の1/5に 

 コエはグローバル戦略ブランドとして、2016年の自由が丘店開店時点では16店舗(飲食業態1店舗含む)を展開していたが、2020年2月に自由が丘店を閉店、2021年3月に岡山店を閉店するなど店舗数は減少傾向にあった。渋谷店の閉店により「koé」を冠する店舗(飲食業態1店舗含む)は最盛期の「1/4」となるわずか4店舗、物販に限れば最盛期の「1/5」となるわずか3店舗となる。 

関連記事:東急百貨店渋谷本店、2023年1月31日閉店-東急文化村も長期休館、LVMHグループと共同で新店舗建設へ
関連記事:渋谷マークシティ、2021年7月リニューアル開業-東急百貨店「フードショー」増床、1階に「ダイソー」大型店も
関連記事:東横のれん街、2020年5月25日移転開業-渋谷マークシティからヒカリエShinQsに移転
関連記事:渋谷駅前の「青ガエル」、2020年7月までに大館市に譲渡
関連記事:JR原宿駅新駅舎、2020年3月21日供用開始-旧駅舎は解体へ

このエントリーをはてなブックマークに追加