愛媛県松山市の食品ディスカウントストア「フジ・ゼットワイ高岡店」(ZY高岡店)が、食品スーパー「フジ高岡店」として2019年3月1日にリニューアルオープンした。
同店はフジのディスカウントストア「ZY(ゼットワイ)」最後の店舗であったため、同業態は消滅となった。
フジZY高岡店。
フジのディスカウント1号店、一般的な食品スーパーに
フジ・ゼットワイ高岡店は「フジ高岡店」として1978年開店。1992年の増床を経て、2009年8月にディスカウント業態1号店「フジ・ゼットワイ高岡店」としてリニューアルした。建物は平屋建、店舗面積は1,847㎡だった。
3月1日の改装により、同店はディスカウント業態を廃して再び「フジ高岡店」に改称。
営業時間の1時間延長やイートインの新設、「簡便・時短」「個食」「健康」などをキーワードにした生鮮、惣菜の充実を目指すなど、地域密着型の売場づくりを行う。改装後の店舗面積は2,263㎡となる。
フジ、ディスカウント業態から10年で撤退
ZY(ゼットワイ)はコンセプトに「安さゼッタイ!」を掲げ、商品取扱数の削減や規格外野菜の販売を実施、老朽化や競合店との競争激化により集客性が低下していた既存店の業態転換により、最盛期には5店舗を展開したが、2018年以降食品スーパー業態への転換や建替え、グループ会社への店舗移管に伴い1店舗を残すのみとなっていた(ゼットワイ北条店は建替え中だがフジの通常店舗となる予定)。
大手流通各社は消費者の低価格志向を受けてディスカウント業態に相次ぎ参入したが、一部の例外を除きその多くが成功を収めたとは言い難い状況にある。
フジのZY(ゼットワイ)事業全面撤退も、顧客に既存食品スーパー業態との違いに加えて競合するディスカウントストアとの明確な優位性が提案できなかったことが理由として挙げられるであろう。
関連記事:フジ、イオンと資本業務提携-フジはマックスバリュ西日本株を取得、更なる「関係の深化」検討
関連記事:フジ、3月から店舗ロゴを変更へ-創業50周年で、新スローガンも制定