銀座ソニーパーク、2018年8月9日開園-ソニービル跡地、変わり続ける実験的な「公園」目指す

東京都中央区銀座の銀座ソニービル跡地に、「Ginza Sony Park」( 銀座ソニーパーク)が8月9日に開園した。

銀座ソニーパーク。

数寄屋橋交差点のシンボル的建物、開放感ある公園に変貌

銀座ソニーパークの前身となる銀座ソニービルは、1966年4月に開館。開館当時は、ドレミの音階が鳴る階段や2300個のブラウン管テレビモニターで覆われたエレベーター塔(のちに撤去)など、建築家・芦原義信氏による斬新な設計が話題となった。
ソニー直営旗艦店「ソニーストア銀座」を始め、「ソニーショールーム銀座」、旧ソニー系の雑貨店「PLAZA銀座」(旧SONY PLAZA)など、多くの専門店が入居していたが、施設の老朽化に伴い、2017年3月をもって営業終了、地上部分の解体が行われた。
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銀座ソニービル。

ソニーらしさあふれる、変わり続ける実験的な「公園」

銀座ソニーパークは地下4階建。
銀座ソニービルの運営を行っていたソニーの100%子会社「ソニー企業」が、新施設(2022年開業予定)の建替工事を開始する東京五輪終了後の2020年秋まで暫定的に運営を行う。
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銀座ソニービルの建替(公園化)イメージ。
(2016年に行われたGINZA SONY PARK PROJECT展で展示)

コンセプトに変わり続ける実験的な「公園」を掲げ、プラントハンター西畠清順プロデュースの植物専門店「アヲ GINZA TOKYO」が管理する地上部分に植栽された植物は、来場客が自由に購入可能となっている。
公共性を高めた施設構造も特徴で、館内各所には自由に利用可能なトイレが整備されており、トイレからは「SONY」のネオン管を眺めることもできる)

地階各階にトイレが設けられている。

また、館内ではペットロボット「aibo」が来場客を出迎え、地下3階の休憩スペースでは「体験型ドライビングシミュレーター」やソニーのプロジェクター内蔵卓上型Android端末「XPERIA Touch」が設置、XPERIA Touchによる新感覚の「スペースインベーダー」を始め複数のゲームが楽しめるなど、建替前の銀座ソニービルが担っていた「ソニーのショールーム」としての機能も果たしている。(上記ゲームの設置は9月24日まで)

ペットロボット「aibo」。


XPERIA Touchを活かしたスペースインベーダー。

テナントとして、前述した植物専門店「アヲ GINZA TOKYO」に加え、藤原ヒロシがディレクターを務めるコンセプトショップ「THE CONVENI」、ミシュラン星を獲得した表参道の人気老上海料理店「MIMOZA」が手掛ける飲茶スタンド「MIMOSA GINZA」、キリングループのクラフトビール専門店新業態「“BEER TO GO” by SPRING VALLEY BREWERY」、老舗和菓子屋「とらや」が手掛ける「トラヤカフェあんスタンド」の5店舗と、期間限定のポップアップストアが出店する。

“BEER TO GO” by SPRING VALLEY BREWERY。

また、TOKYO FM のサテライトスタジオ「Ginza Sony Park Studio」も設けられ、「東京の粋な音楽・アート・カルチャー」をコンセプトとした番組が提供される。
TOKYO FMは、渋谷パルコPart1に「渋谷スペイン坂スタジオ」を設置していたが、同店の建替に伴い、2016年8月をもって23年の歴史に幕を下ろしていた。TOKYO FMにとって、約2年ぶりのサテライトスタジオ復活となる。

TOKYO FM Ginza Sony Park Studio。

多彩なイベントが開催
ウォークマンから着想したローラースケート場も開設

多彩なイベントも施設の特徴で、地下2階では「公園×音楽」をテーマにし、ウォークマン初号機のパッケージから着想したというローラースケート場「#001 PARK × MUSIC × ROLLER SKATE」が開設される。(9月24日まで)
地下各階では、大日本印刷(DNP)が手掛ける「art scape GINZA」では、国立新美術館「ルーブル美術館展」との連動企画として、ARバーチャルミュージアム「It’s 肖像画TIME!」が開催。(9月3日まで)
地上部分では、沖縄美ら海水族館監修の大水槽「Sony Aquarium 2018」が展示。美ら海水族館スタッフによる水槽解説(曜日限定)や生き物の餌やりも見ることができる。(9月9日まで)。
上記イベントはいずれも無料となっている。

#001 PARK × MUSIC × ROLLER SKATE。

銀座の一等地が「公園」となることで大きな反響を呼んだ「GINZA SONY PARK PROJECT」であるが、結果的に「ソニーらしさ」が散りばめられた空間となった。今後の継続的な集客には、新鮮なイベントを発信できるかに期待したい。

外部リンク:Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)
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