ドラッグストア最大手でイオングループの「ウエルシアホールディングス」(東京都千代田区)は2022年1月18日、関西を中心にドラッグストア「コクミンドラッグ」等を運営する「コクミン」(大阪市住之江区)と「フレンチ」(同)を買収すると発表した。ウエルシアは2022年6月1日付でコクミンとフレンチを子会社化する。
コクミンドラッグ関空第1ターミナル店(大阪府泉南郡田尻町)。
ウエルシア、関西地盤の老舗ドラッグストアを買収
コクミンは1935年に現在の大阪市住之江区で創業。ドラッグストア業界の中では老舗で、最盛期の1990年代後半には関西を中心に全国で約260店ほどを展開し、「マツモトキヨシ」(千葉県松戸市)と並び業界トップクラスの企業と評された。繁華街や商業施設、空港など都市部や施設内を中心に店舗展開をしているのが特徴。
フレンチは化粧品を主体とした店舗を展開しており、以前はコクミンの子会社であった。
現在は北海道から九州まで、コクミンとフレンチを合わせて173店舗を運営しており、2019年度の売上高は約630億円。なお、両社は不動産賃貸業の「三絹」(大阪市住之江区)のそれぞれ関連会社及び完全子会社である。
ウエルシアは2022年6月1日付でコクミンの株式の76.26%、フレンチの株式の100%を取得し、子会社化する。取得額は未定という。
コクミン関空店(大阪府泉南郡田尻町)。
ウエルシア、コクミン買収で未出店地域・都市部を強化
ウエルシアはドラッグストア業界最大手でグループ全体で2,312店舗(2021年11月末時点)を展開し、約9,497億円(2021年2月期)の売上高を誇る。
ウエルシア姫路亀山店(兵庫県姫路市)。
近年ドラッグストア業界では再編が進んでおり、2021年10月には業界4位の「マツモトキヨシ」と業界7位の「ココカラファイン」が経営統合し、新会社が発足した。
ウエルシアは未出店地域への出店を強化しており、2021年12月には中四国地盤で「スーパードラッグひまわり」を展開する「ププレひまわり」(広島県福山市)を子会社化、中四国地方の店舗数を倍増させた。
ウエルシア傘下のププレひまわりの店舗(岡山市中区)。
ウエルシアグループは現在北海道に店舗がなく、九州地方も僅か3店舗を展開するのみである。コクミンは北海道に9店舗、九州地方に17店舗(いずれも2020年4月時点)を展開しており、今回の買収で両地方での店舗展開の足掛かりにする狙いもある。
また、ウエルシアは郊外型の店舗を中心に展開している。コクミンは商業施設や繁華街といった都市部を店舗展開の中心にしており、今回の買収でウエルシアが手薄な都市部の店舗の増加及び出店ノウハウを獲得する狙いもあるとみられる。
地下街に立地するコクミンの店舗(大阪市中央区)。
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ストライプデパートメント、2022年3月31日までに終了-百貨店向けECサイト運営代行「DaaS」、4月には会社清算
アパレル大手「ストライプインターナショナル」(本社:岡山市北区)は、子会社が運営するECサイト「ストライプデパートメント(STRIPE DEPARTMENT)」と百貨店向けECプラットフォーム「DaaS(Department EC as a Service)」を2022年3月31日までに終了。2022年4月30日をもって会社を解散する。

ストライプデパートメントのポップアップショップ。
百貨店の課題解決掲げたストライプの「ECデパート」
ストライプデパートメントは、2017年2月にストライプとソフトバンクの合弁会社として設立。2018年2月に同名ECサイトの運営を開始した。
「上質を知る大人たちのためのECデパートメント」をコンセプトに、開始当初から約600ブランド、6万アイテム超を展開。パーソナルスタイリストによる商品提案サービス「Personal Styling」(1回1,000円/商品購入者は無料)や一度に3着まで申込可能な試着サービス、AIチャットボットといった“接客”を導入していた。
地方百貨店の加盟相次いだ「DaaS」
さらに、ストライプデパートメントは2019年9月に百貨店向けEC開設・運営代行サービス「DaaS」を開始。
店舗数や取扱ブランドの減少といった「国内百貨店が抱える様々な課題解決」を目的として掲げ、加盟百貨店各社が独自の屋号を冠したECサイト(百貨店側のイニシャル・ランニングコストは0円)に送客することで手数料収入を得るビジネスモデルが特徴で、開始当初は「大和」(本社:石川県金沢市)と「トキハ」(本社:大分市)によるポップアップストア開設といった販促も打ち出していた。
また、ネット通販のノウハウや資本に課題をもつ百貨店に参画を呼びかけていた。

ストライプデパートメント・DaaSのシステム。
ストライプデパートメント(DaaS加盟百貨店含む)は2021年4月に会員数20万人を突破、11月には「八木橋」(本社:埼玉県熊谷市)が全国13社目としてDaaSに加盟するなど、加盟百貨店数・会員数ともに増加傾向にあった。
突然の終了で各社のEC戦略に影響も?
ストライプデパートメントによると試着やスタイリングといった各種接客サービスは1月31日をもって終了、ECサイトでの営業は2月28日をもって終了、アカウント情報の確認などは3月31日をもって終了するが、詳細な日程は調整中としている。
同社の解散は「諸般の事情」によるもので、加盟百貨店各社のWebサイトなどを通じて「あくまでECサイトの終了であり、加盟百貨店の運営・営業には一切の営業はない」と告知しているが、唐突なDaaSのサービス終了は百貨店各社のオムニチャネル戦略に少なからず影響を及ぼすものとみられる。
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