JR九州は、2020年7月豪雨で熊本県、大分県、鹿児島県などにおいて橋梁の流失や線路の流出等が300箇所以上で起きていることを7月13日に発表した。
JR肥薩線人吉駅。
久大線、肥薩線は年内復旧困難か
JR九州の被災箇所のうち、とくに被害が深刻な線区は
- 鹿児島本線の不通区間:長洲-植木・川内-鹿児島中央
被災箇所:玉名-肥後伊倉、木場茶屋-串木野、上伊集院-広木の土砂流入など - 久大本線の不通区間:日田-向之原
被災箇所:豊後中村-野矢の第二野上川橋梁の流出、第一野上川橋梁の橋脚傾斜、野矢-由布院の土砂流入など - 肥薩線の不通区間:八代-吉松
被災箇所:球磨川第一・第二橋梁の流出など全線(八代-吉松)での橋梁流出、土砂流入など
これ以外にも日豊本線東別府-西大分で土砂流入などが起きており(復旧済み)、被災箇所は少なくとも345箇所に上るという。
このうち、複数の橋梁が被災している久大本線と肥薩線については、2020年内の復旧は厳しいものと思われる。
今回の災害により、特急・D&S列車(観光列車)のうち「ゆふいんの森」「ゆふ」「かわせみ・やませみ」「いさぶろう・しんぺい」「SL人吉」、そして「ななつ星」は7月14日時点で全便が運休している。
くま川鉄道なども長期不通に
JR九州以外では、第三セクターの「くま川鉄道」では全線に亘って橋梁流出、土砂流入などが、「肥薩おれんじ鉄道」では45箇所において土砂流入や道床流出などが、「平成筑豊鉄道」では田川線の崎山-源じいの森で落石が発生。
くま川鉄道は全線が、肥薩おれんじ鉄道は八代-水俣・川内-隈之城が、平成筑豊鉄道は田川線犀川-油須原が当面のあいだ不通となっている。
肥薩おれんじ鉄道。
このほか、西日本鉄道天神大牟田線・甘木線なども一部で浸水被害を受けたが、7月14日時点では復旧しており、通常運行となっている。
JR九州では7月より激安フリーパス「みんなの九州きっぷ」を発売しており、8月には熊本地震で被災した豊肥本線が全線復旧する予定であるが、再び災害に悩まされることとなった。
(不通箇所は7月14日時点)
外部リンク:「令和 2 年 7 月豪雨」による当社の被災状況について(JR九州/PDF)
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