アウガ、ショッピングフロア閉店へ-ほぼ全館が公共施設に

青森市は、経営難に陥っているJR青森駅前の複合商業ビル「フェスティバルシティ・アウガ」について、1~4階のショッピングフロアを閉鎖し、公共施設としての再生を行う方針を発表した。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フェスティバルシティ・アウガ。

注目を集めた「商業+公共+駐車場」という新業態

「アウガ」は2001年1月に第三セクター企業「青森駅前再開発ビル」の運営する複合商業ビルとして開業した。
当初は核テナントとして地場百貨店の「松木屋」(西武系、2003年倒産)、「ダックシティカネ長武田百貨店」(現:さくら野百貨店)などの出店も検討されたが、景気の減衰などにより百貨店を核とすることを断念。
結局、商業ゾーンは独自のファッションビル業態とすることになった。

現在、アウガは4つのゾーンに分かれており、地階はアウガ建設前にあった商店街の店舗が主に出店する食品ゾーン「新鮮市場」、1階から4階は「ショッピングフロア」(主にファッション)、5階から6階は「青森市男女共同参画プラザ・カダール」と催事ホールなど、6階から9階は「青森市民図書館」となっているほか、立体駐車場も設けられている。
地階~4階の商業床の売場面積は約14,300㎡。
auga1
現在のアウガのフロア構成(青森市ウェブサイトより引用)。

開業当初は「商店街+ファッションビル+公共施設+駐車場」という独自の業態が注目を集め、全国から視察が相次ぎ、いわき市(開発主体は民間)や福井市などの駅前再開発においても類似の複合商業ビルが建設されたり、また、全国の大型空き店舗再生の際に参考にされることもあった。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
地階の商店街「新鮮市場」。

当初は賑わったファッションフロア、12年に黒字化したが…

開館当時のアウガは青森市初のファッションビルとして大いに賑わい、中心市街地の活性化に一役かったものの、当初(2001年度、12ヶ月間)の売上は予想の半分程度となる23億円、全館での集客数は約282万人。
更に、市内の郊外スーパーや市外の大型ショッピングモール(イオンモールつがる柏、エルムの街など)との競争に加え、少子高齢化、鉄道利用客の減少などにより経営が悪化。2008年には「青森駅前再開発ビル」の債務を青森市が買い取り、青森市が運営主体となっていた。
その後、経営効率化などにより2012年上半期には初の黒字を計上したものの、2011年の東北新幹線青森駅開業後の青森駅の地位低下も重なり、同年からは空き床が1割を超える状態が続いていた。
2013年度の年商は約16億円、全館での集客数は242万人となっている。
auga3
アウガの集客数変化(青森市ウェブサイトより引用)。

市庁舎建て替えが転機に-改装時期は未定

青森市では、以前より老朽化した市庁舎の建て替えが問題となっており、特に庁舎の最も古い部分は1956年に建設されたもので、新庁舎の整備が喫緊の課題となっていた。
そこに、アウガの経営問題が浮上。
青森市は、市役所の機能の一部をアウガに移し、新築する新庁舎の規模を縮小する考えを表明した。
auga2
改装後のアウガのフロア構成案(青森市ウェブサイトより引用)。

また、青森市はアウガの公共施設化に伴い、地権者床を青森市が買い取り、青森市に対する「青森駅前再開発ビル」の債務は、土地と建物で代物弁済させ、アウガは土地・建物ともに青森市の所有とする計画。
これにより、アウガの債務の圧縮を図るとともに、市庁舎の建築費を圧縮、更に、駅前の賑わいも維持したい考えだ。なお、地階の商店街は現状のまま存続させる方針。
ショッピングフロア閉館や改装を行なう時期は未定で、分庁舎として入居する部門の検討や、買収に向けての詳細な不動産鑑定などは今後実施する。

青森市唯一のファッションビル、消滅の影響は大きく

一方で、アウガは隣接する青森駅ビル「ラビナ」(土産品店に加えて無印良品、ハニーズ、宮脇書店など出店)以外では青森市で唯一のファッションビルであり、青森市中心部で唯一のゲームセンターがあるほか、「index」、「PAGE BOY」、「ESPERANZA」、「ヴィレッジヴァンガード」、「ジ・エンポリアム」(2月閉店)など、青森市周辺では当ビルが唯一の出店となっている店舗やブランドも数多くある。
青森市では、2006年より「コンパクトシティ」を目指した郊外大型店の出店規制を行っており、例え有名テナントであっても青森市内の郊外型商業施設への再出店余地はあまり多くない。つまり、政策によって郊外の商業施設が規制された上に、政策によって造られた中心部の商業施設も、また政策によって消えてしまおうとしていることになる。
昼間はお年寄りの、夕方は学校帰りの若者の憩いの場ともなっているアウガ。ショッピングフロアの全面閉店は、駅前の賑わいや、中心市街地全体への集客に大きな影響を与えることは必至であり、入居テナントの近隣地域への移転を進めるなど、何らかの対策が必要になろう。
IMG_3464-1
アウガ・ファッションフロア(公式ウェブサイトより引用)。

外部リンク:Festival City AUGA | フェスティバル シティ アウガ
外部リンク:新生アウガを目指して(案)(青森市、PDF、概要版)
外部リンク:新生アウガを目指して(案)(青森市、PDF、詳細版)

新しい記事はこちら:アウガ・ショッピングフロア、2017年3月末閉店へ-経営問題で市長辞任、混迷深まる活用方法

【PR】アンケートに答えて当てよう!
【キラ秋キャンペーン】

このエントリーをはてなブックマークに追加