イオン今池店、2024年2月29日閉店-ダイエーから54年の歴史に一旦幕、最古のイオンとして閉店式典も

愛知県名古屋市千種区の名古屋市営地下鉄今池駅近くにあるイオングループの総合スーパー「イオン今池店」が2024年2月29日をもって閉店した。

ダイエーショッパーズプラザとして開店した今池の大型店

イオン今池店は、1969年11月30日にダイエーグループの総合スーパー「ダイエー今池店」として開店。建物は地上2階地下1階建で店舗面積は8,884㎡。
ダイエー今池店は開業以来長らく、各種届出を中心にグループのショッピングセンターブランド「今池ショッパーズプラザ」を称し、同社名古屋初の店舗として専門店街を展開する地域随一の大型店であった。また、店舗に面する「今池東南商店街」は愛称として「ダイエー通り」を冠するなど、地元商店街とともに今池の発展に大きな役割を担った。
同店は2000年代初頭の産業再生機構傘下入りによる店舗整理を乗り越え、2013年10月には同社名古屋初となる「中食強化モデル店舗」としてオリジン東秀の量り売り惣菜「オリジン弁当コーナー」や同社初となる靴量販店「グリーンボックス」の導入を始めとする店舗の全面リニューアルを実施。あわせて、外装を現在のデザインに刷新した。

イオン今池店。

その後、ダイエー今池店は、2015年9月のイオン総合スーパー事業再編にともない、店舗運営をイオンリテールに移行し現在の店名となった。

最古のイオン、バリアフリー化が課題だった

イオン今池店を運営するイオンリテール東海カンパニーによると、2024年2月現時点において同店は「最古のイオン」であり、旧ダイエーの店舗としてもグルメシティ西明石店(1969年10月開店)の次に古い店舗となっている。
同店では開店以来、直営食品フロアの移設(地下1階→地上1階)を始め、時代に即したリニューアルを図ったが、築50年超の建物には制約も多く、2024年2月の閉店までエレベーター未設置かつエスカレーター片側設置(上りのみ)と各種バリアフリー設備が充足しているとは言い難い状態にあった。
こうした背景もあり、ダイエー時代からの店舗を「老朽化と顧客のニーズに応えるため」「店舗建替え」を理由に挙げ、2024年2月29日をもって閉店することとなった。

今池店54年の歴史を示すパネル展も。

賑わう最終日、営業時間は急遽1時間ほど拡大

イオン今池店の閉店当日2月29日は、午前9時の営業開始前から多くの来店客で賑わいをみせ、商品棚の完売も目立つようになった。午後7時の開店時刻を迎えたのちも来店客の流入やレジの行列が絶えなかったこともあり、午後7時15分開始予定の閉店式典はは約1時間遅れとなった。

閉店式典には“ダイエー通り”商店街会長も参加

イオン今池店の閉店式典には、泰山亨同店店長を始めとする従業員に加え、森信仁今池東南商店街(ダイエー通り)会長が参加。式典前には記念品として同店のイラストが描かれた缶バッヂの配布も行われた。

森信仁今池東南商店街会長による花束贈呈。

泰山亨店長は、学生時代の今池店の来店経験や思い入れを語ったうえで「ここでの思い出を心のどこかで留めていただければ、我々従業員一同この上ない幸せと感じます」「1969年から、今日まで今池店を支えていただき、ありがとうございました」と締め括った。
また、森信仁町内会長は商店街と地域の発展に貢献した今池店への感謝と再出店への祈願を述べ、店長に花束を贈呈した。

利用客への長年のご愛顧に応える泰山亨店長。

式典後は店長による出口での挨拶を終え、ダイエー時代から54年にわたる長い歴史に一旦幕をおろした。

閉店後の建物は解体、再出店の計画はあるもの詳細は未定

イオン今池店の建物は築54年超と老朽化が顕著であり、2月29日の閉店直後から解体工事の設営が始まっている。
イオンリテールは今池店の跡地活用策として建替再出店の方針を示しているもの、新店舗の概要(業態・規模・再開時期)は未定となっている。
なお、同店休業期間中の代替店舗は「イオンナゴヤドーム前店(イオンモールナゴヤドーム前)」が担うこととなる。

現店舗営業最終日のイオン今池店。
54年にわたり愛された同店は新店舗として生まれ変わる見込み。

イオン今池店

住所:愛知県名古屋市千種区今池5-13-26
営業時間:午前9時~午後11時

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