東京都台東区浅草の高層タワー「凌雲閣」敷地跡地に、オーケー(本社:横浜市西区)のディスカウント食品スーパー「オーケー浅草店」が2022年3月10日午前9時に開店する。
雲を凌ぐ興行街のシンボルタワー「凌雲閣」
凌雲閣は1890年11月に開業。開業当初は「浅草十二階」「日本のエッフェル塔」といった愛称をもつ日本一の高層建築、興行街のシンボルとして、広く観光客を集めたが、1923年9月の関東大震災により塔の高層部が崩壊。震災後は立地を活かした劇場「凌雲座」に、1956年10月には映画館「浅草東映」に姿を変えたが、2003年5月の浅草東映閉館後はパチンコ店となった。
凌雲閣にちなんだ装飾を施したドンキ浅草店。
凌雲閣は今もなお浅草の象徴として語り継がれている。
日本を代表する観光地、スーパー激戦区に
オーケー浅草店は凌雲閣跡地の敷地一部に出店していたパチンコ店「サンシャイン浅草」(2020年1月閉店)を居抜き出店するもので、売場面積は879.46㎡。
浅草店は同社ディスカウントスーパー業態の店舗として、生鮮3品(青果・水産・精肉)に加え、店内製造の惣菜・ピザや酒・日用品を展開。地階はインドアゴルフ場が出店する。パチンコ店時代同様、店舗そばには「浅草凌雲閣記念碑」を併設する。
オーケー浅草店。
浅草は日本を代表する観光地ながら、西友浅草ROX店(浅草松竹演芸場跡地)やライフ浅草店、三平ストア浅草店、オオゼキ浅草雷門店、マイカイマート浅草店(ロヂャースマートから業態転換)といったスーパーが数多く立ち並び、各店舗ともにリニューアルを相次ぎ打ち出すなど地元住民を中心に一定の賑わいを呈している。
コロナ禍前の浅草六区ブロードウェイ。
一方、コロナ禍による訪日外国人観光客減少を背景に、2020年5月に大規模シティホテル「浅草ビューホテルアネックス六区」(マルハン松竹六区タワー予定地跡)が無期限開業延期、同年11月に複合観光商業施設「まるごとにっぽん」が閉館(2021年6月ユニクロに転換、物産フロアも一部存続)するなど、興行街の復活とは程遠い状態にある。凌雲閣が劇場からパチンコ、スーパーへと姿を変えたように、観光地としての浅草もその姿を変えていくものとみられる。
複合商業施設としては閉店したまるごとにっぽん。
2022年3月現在はUNIQLO主体のビルに。
オーケー浅草店
住所:東京都台東区浅草2-14-5
営業時間:午前8時30分~午後9時30分(当面の間午後9時閉店)
関連記事:ユニクロ浅草店、2021年6月4日開業-まるごとにっぽん跡に、ユニクロ松屋店・ROX店は閉店
関連記事:東京ミズマチ、2020年6月18日開業-浅草とスカイツリーを結ぶ高架下複合商業施設、すみだリバーウォークも同日開通