カウボーイ北野店、2021年8月5日開店-かつての北海道大手スーパー、約13年ぶり復活

北海道札幌市清田区の清田通り沿いにあった西松屋札幌清田店跡に、ナカノフーズの市場型食品スーパー「カウボーイ北野店が2021年8月5日午前9時に開店した。

カウボーイ北野店。

消滅していた道内大手スーパー「カウボーイ」
カウボーイは、1979年12月に土日営業の食品スーパー(肉の大型専門店)として中野晃氏により創業。1988年の社名変更を機に衣料品や生活雑貨といった非食品の取扱いを開始した。
1990年代からは新潟カウボーイオーシャンシステムチャレンジャー)を設立、加えて西武セゾングループ支援のもと経営再建中だった本間物産(マルホンカウボーイ)を買収するなど、本州での店舗展開を本格化。道内においても積極的なスクラップ&ビルドにより、直営飲食店や映画館(シネマコンプレックス)を併設したショッピングセンター業態の大型店運営に軸足を移した。
一方で、カウボーイは競争激化や多角化路線、銀行の経営破綻など複数の要因により経営状況が悪化。2006年12月には外資系証券会社主導による経営体制に移行し、2008年7月に大手ディスカウント「トライアルカンパニーが株式の約30%を引き受ける資本業務提携を締結。同年9月からはカウボーイ全店舗を順次「トライアル」に業態転換、2010年1月にトライアルカンパニーがカウボーイを吸収合併したため、道内からカウボーイの屋号が消滅することとなった。

トライアル篠路店。
(撮影:@west221223225さん
 
創業者が「カウボーイ復興」-市場型スーパーに
カウボーイ北野店を出店した「ナカノフーズ」は、2007年2月に創業者・中野晃氏全額出資の新会社として設立。同年3月にカウボーイの食肉卸売部門を譲受してからは、2008年に金土日のみ営業の食品スーパー「アウトローを出店開始するなど、カウボーイ創業当初の形態に近い事業展開を行っていた。
カウボーイ北野店の建物は平屋建、売場面積は約700㎡。カウボーイ屋号を冠する店舗としては約13年ぶりの出店となった。なお、隣接地にはサツドラが出店する。
新生カウボーイ1号店の北野店は「工場直販・専門店の集まる店」を掲げており「それぞれ得意の専門分野で、スーパーマーケットにない魅力ある店舗」であるとしている。

カウボーイ北野店の館内構成。
 
店内にはナカノフーズ直営の精肉惣菜店を中心に、鮮魚「かなざわ」、乾物店「ホッカン」、米・酒店「まるとみライスパーラー」、豆腐・納豆店「やまぐち食品」、乾物「ホッカン」、ベーカリー「シロクマパン」といった食に関連した約15店舗が集積し、生鮮3品のすべてを扱う市場形式の食品スーパーとなった。

カウボーイ北野店の館内テナント。
直営精肉、人気を集める
開業当日となった8月5日は朝から多くの人が訪れ、とくにお得商品が多い直営の精肉コーナーが大きな人気を集めた。
一方で、取り扱い商品はテナントにゆだねられているため、飲み物があまり販売されていないなど普通のスーパーと比較すると不便さが否めない面も見られた。
(なお、飲み物に関しては隣接するサツドラで購入することができる)

店頭に飾られたフラワースタンド。
 
店頭には多くのフラワースタンドが飾られており、なかには道内大手企業も。永年に亘って親しまれた「かつての道内大手の復活」を印象付けた。
(撮影:wbさん
カウボーイ北野店
住所:札幌市清田区北野6条2丁目14-2
営業時間:9時~20時
 

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