ユニー・ファミマとドン・キホーテ、業務提携の検討を開始-6月から

流通大手の「ユニー・ファミリーマートHD」とディスカウント大手の「ドン・キホーテHD」が、業務提携に向けた検討を6月13日に開始したことを発表した。

互いに「総合スーパー」生かした改革進めるユニーとドンキ

ユニー・ファミマHDは2016年9月、総合スーパー大手「ユニー」とコンビニ業界2位の「ファミリーマート」の経営統合により発足したばかり。
ユニーは業績不振が続いており、2016年以降、不採算店50店舗近くを閉鎖、傘下の婦人服大手「パレモ」、呉服大手「さが美」、ホームセンター「ユーホーム」を相次いで売却するなど事業整理を続けていた。
その一方、地盤である東海地方の大型店舗「アピタ」では経営統合したファミマと提携関係にあるCCCの生活提案型業態「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活かした新業態「草叢BOOKS」を導入、中型店舗でも「ライフスタイル提案・五十貨店化」を掲げリニューアルを行うなど経営改革を推し進めている。
レイクウォーク2-1
 2016年に開店した「レイクウォーク岡谷」は新時代のモデル店。

一方のドン・キホーテグループは1980年に設立。総合スーパー「長崎屋」、ホームセンター「ドイト」を傘下に持つ。
驚安の殿堂」を掲げ、圧縮陳列や手書きPOPを多様した売場づくりが特徴。近年は繁華街立地の店舗を中心に、訪日外国人観光客の増加に伴うインバウンド対応強化を推し進めており、5月12日には渋谷に総合スーパーを出店したほか、6月5日には東南アジア1号店となるシンガポール進出を発表したばかりだった。

5月12日に開業した「メガドンキ渋谷本店」。

今後、2社は「店舗の実験的な共同運営」「商品の共同開発」「物流機能の合理化」「新業態の開発」「海外市場での協働」などの分野で業務提携を目指すとしている。
2017年5月現在、ファミリーマートは中国、台湾、東南アジアなど海外に6,486店舗を展開、ユニーも中国、香港に店舗を持つが、総合スーパーの経営には苦戦している。
一方のドン・キホーテも先述したようにアジア地域への展開を進行中だ。ドンキはかつてコンビニ経営に失敗したという過去があるものの、総合スーパー「長崎屋」を大型ディスカウント業態「MEGAドン・キホーテ」として再建した実績があるほか、現在、メガドンキとして総合スーパー業態での新規出店も行っている。また、既存店を含め、長い営業時間を特徴としていることもコンビニと共通する点がある。

長崎屋を再生させたドンキ。
ユニーとの提携はどのようなものとなるであろうか。

今後は両社が経営ノウハウを共有することにより、消費者にとってみてもより一層便利な店舗となることが期待される。

外部リンク:ユニー・ファミリーマートホールディングスとドンキホーテホールディングスの業務提携の検討開始について
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