都市再生機構(UR都市機構)は、梅田貨物駅跡地(大阪市北区)で進められている「うめきた2期地区開発事業」の開発事業者を、「三菱地所」を中心に9社で構成されるグループに決定したことを7月12日に発表するとともに、再開発の詳しい概要も明らかになった。

うめきた2期地区の全景イメージ。
約90年の歴史を終えた梅田貨物駅
開発予定地にあった梅田駅(梅田貨物駅)は1928年に開業。
2000年より順次機能が縮小、近隣の吹田貨物ターミナル駅・百済貨物ターミナル駅に機能が移転されており、2013年に全面廃止された。
貨物駅の縮小後、地権者の都市再生機構(UR)が総合プロデュースをおこない、事業者を公募したうえで2期に分けて再開発されることとなった。
先行地区「うめきた1期」として開発された官民連携プロジェクト「グランフロント大阪」は「知的創造拠点」「新産業創出拠点」を掲げており、2013年4月に街開きが行われた。

グランフロント大阪とうめきた2期地区。左奥は新梅田シティ。
グランフロントと同じ三菱・オリックス連合が開発
うめきた2期地区開発事業は「三菱地所」「オリックス不動産」「阪急電鉄」など、9社で構成されるグループにより開発が進められる。同グループは「グランフロント大阪」の運営・開発実績を持つ。
開発コンセプトは「希望の杜-Osaka“MIDORI”LIFE 2070 の創造-」。「知的創造拠点」「新産業創出拠点」に加え「国際交流拠点」「憩いの空間」となることを掲げ、「『みどり』と融合した生命力と活力あふれる都市空間、 ひらめきや創造につながる多様で寛容な場づくり、 新たな価値がうめきたから関西へ、国内外へと拡がるマネジメントの構築」を目指すとしている。

現在は暫定的にイベント施設として活用されている。
「複合施設」と「都市公園」を融合-最高層は51階建
うめきた2期地区のうち、北街区は地上28階地下2階建(高さ150m)、地上47階地下2階建(高さ176m)の2施設で構成される。敷地面積は15,726㎡、延床面積は146,900㎡。
また、南街区は地上39階建地下3階建(高さ182m)、地上51階建地下2階建(高さ185m)の2施設で構成される。敷地面積は30,429㎡、延床面積は374,660㎡。
両街区とも、グランフロント大阪と同様に商業施設やホテル、知的創造拠点(ナレッジキャピタル)、分譲住宅、オフィスなどが整備されるほか、MICE施設(会議・コンベンション機能)、都市型スパも導入される。

北街区のオフィス・ホテル・イノベーション施設。
これらの施設は、ペデストリアンデッキや公園内立体通路、地下通路を通じて大阪駅ノースゲートビルディング「ルクアイーレ」や先行開発区域「グランフロント大阪」などの周辺施設とも接続される。

うめきた2期の土地利用計画図、周辺施設との接続も重視された。
目玉施設は中央部分の、敷地面積45,000㎡にも及ぶ「都市公園」だ。
公園内には10,000人規模のイベントに対応する「リフレクション広場」や憩いの空間「うめきたの森」、道路と公園が一体となった「ステッププラザ」、ミュージアム、体験型学習施設、飲食店などが設けられる。
これらの公園・緑地は、オフィス部分に進出する企業の研究開発にも活用したい考えだという。

公園と歩行者デッキ「ひらめきの道」。
開業は2024年以降-地下には「北梅田駅」
うめきた2期地区は2024年夏以降の段階的な開業・まちびらきを目指して工事が進められる。
また、うめきた2期の地下には、JR西日本により「北梅田駅」(仮称)が建設される。こちらは2023年春の開業を目指す。
さらに、2031年にはJR西日本と南海電鉄により、新大阪駅と難波方面を結ぶ新路線「なにわ筋線」が開業し、北梅田駅への乗り入れが開始される予定だ。
関西経済の起爆剤として期待
梅田駅周辺では、2000年代からJR西日本や阪急阪神HD、大丸、ヨドバシカメラなどによる駅ビルや商業施設の建て替え、再整備が行われてきた。

ヨドバシカメラマルチメディア梅田。
うめきた再開発はこれら民間主導の施設と異なり、「グランフロント大阪」は「官民連携プロジェクト」として「知的創造拠点」「新産業創出拠点」の役割も担うことになった。1期よりも広い面積を持つ2期地区は都市公園やイベント施設、コンベンション施設も併設されており「憩いの空間」「国際交流拠点」としての機能も兼ね備えることとなる。
西日本最大規模の再開発プロジェクト(延床面積521,560㎡)として注目を浴びるうめきた2期。大阪駅に隣接する一等地の再開発だけに、関西経済発展の起爆剤として期待される。
(イメージイラストは都市再生機構開示資料より)
外部リンク: うめきた2期地区開発事業者募集における開発事業者の決定について
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ウォルマート、西友を売却へ
小売世界大手「ウォルマート」(米国)は、傘下の大手スーパー「西友」(東京都北区)を売却する方針を固めたことが分かった。

西友本社(東京都北区)。
西武セゾングループから米国資本へ
西友は1956年に西武鉄道傘下の西武ストアーとして営業を開始。
現在の西友は1963年に西友ストアーとして設立されたものである。その後、西武セゾングループの成長と共に店舗網を全国へと拡大した。
また、1973年にはファミリーマート、1980年には無印良品を開発。両社はセゾングループの成長とともに独立している。

初期は西武沿線への出店が主であった(西友久米川店)。
西武セゾングループの崩壊後、2000年にはサミットを運営する住友商事と業務資本提携を締結。
食品スーパーの出店を拡大するとともに、2001年には百貨店「岩田屋」(福岡市)傘下のスーパー「サニー」を買収、九州の店舗を大幅に増やした。それらは現在も多くがサニーの屋号で運営されている。

サニーの店舗(サニーみいまち店)。
西友は2002年に住友商事の仲介により「ウォルマート」の傘下となった。
その後はウォルマート流の経営改革により、プライベートブランド「グレートバリュー」の導入、スーパーセンターの出店、テナントの直営化、折り込み広告の廃止とEDLPへの取り組み、沖縄からの撤退(リウボウとの資本提携解消)など大幅なリストラを行ったものの経営が悪化。
2008年の完全子会社化を経て、現在は西友主導のプライベートブランド「みなさまのお墨付き」を導入、テナントの導入、広告を復活させるなど、再び「日本流」の経営となりつつある。
2018年には、旗艦店であったザ・モール周南(山口)、ザ・モール姫路(兵庫)を閉店し、イズミ(広島)に経営譲渡している。
2018年7月現在の店舗数は、北は北海道から南は熊本まで全国335店舗。

ショッピングセンター業態の「ザ・モール」(西友長町店)。
ウォルマートは1962年に米国アーカンソー州ロヂャーズで創業したディスカウントスーパーマーケット。
アジアでは中国、インドなどで店舗展開しているが、韓国からは2006年に撤退している。
売却先はどこに?
現在、日本においてほぼ全県に出店しているスーパーマーケットはイオングループ、ドン・キホーテなど数社しか存在しない。
売却先によっては、大手商社や投資ファンドの仲介や、地域ごとによる更なる分割譲渡も予想される。
日本における外資系スーパーは、2000年にカルフール(仏)が、
カルフールジャパンを設立して進出、また2003年にテスコ(英)がつるかめランド(社名:シートゥーネットワーク)を買収して進出したものの、前者は2005年にイオン傘下、2010年にイオンリテールに統合(なお、同時にマレーシアの店舗もイオンとなった)、後者は2013年にイオン傘下、2014年にマックスバリュに統合されており、いずれもイオングループの店舗となっている。
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