京都マルイ、2020年4月7日最終営業-5月12日閉店予定、新型コロナで営業終了前倒し

京都府京都市下京区の阪急京都河原町駅に直結するファッションビル「京都マルイ」が、当初の予定を前倒し、2020年5月12日をもって閉店した。最終営業日は4月7日となった。

京都マルイ。

京都中心部4番目の百貨店「四条河原町阪急」として開業

京都住友ビル(住友不動産京都ビル)は1976年10月に「四条河原町阪急」を核に開業。建物は地上8階地下1階建、阪急時代の営業フロアは6階~地下1階、売場面積は8,909㎡。
四条河原町阪急は開業以来、阪急を規模面で大きく上回る高島屋や大丸との差別化を目的に、ヤングファッションを中心とした売場づくりを推し進めていた。しかし、1997年のJR京都伊勢丹開業を境に河原町地区の求心力が低下、2000年代には大阪・梅田駅周辺の百貨店が相次ぎ増床リニューアルを実施、郊外型商業施設との競合による売上低迷もあったため、2010年8月をもって閉店していた。

インバウンド取込み目指した丸井、コロナで閉店前倒し

京都マルイは2011年4月に四条河原町阪急の後継店舗として開業。営業フロアは阪急時代と同じ6階~地下1階、売場面積は8,765㎡。丸井としては関西3施設目となる店舗であった。
開業当初は、東急ハンズの生活提案型雑貨店(ハンズビー)やふたば書房のBOOK&CAFE新業態など、京都初となるファッション・食物販店舗を中心としたフロア構成であったが、2016年3月の大手免税店「ラオックス」旗艦店導入を皮切りに、ドラッグストアやトラベルバッグブランドなど訪日外国人観光客を主要ターゲットとしたテナント中心のフロア構成に軸足を移していた。

四条河原町阪急時代からシンボルとなっていた「世界時計」。

その一方、2019年秋に競合店との競争激化や賃貸契約期間の満了のため2020年5月31日付での閉店を決定。2020年4月1日に「閉店感謝セール」を開始したもの、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて4月8日以降臨時休業を開始、5月4日に緊急事態宣言の延長が決まったため、当初の予定を前倒しして閉店することとなった。
なお、建物を所有する住友不動産グループが運営する「住友不動産京都ビルFOOD HALL」は、新型コロナウイルス感染症の終息を目処に営業再開を予定している。

京都河原町駅直結の一等地、2度目の再生なるか

京都マルイが出店していた京都住友ビルディングは、阪急京都河原町駅に直結するなど京都有数の立地条件下にあり、施設周辺でも2019年12月に京阪グループの複合商業施設「GOOD NATURE STATION」が開業、さらに2020年5月を目処に「ドン・キホーテ四条河原町店(仮称)」が開店する予定があるため、早期の跡地再生も見込まれる。
また、住友不動産がビルの高層階(7~8階)で運営するレストラン街「住友不動産京都ビルFOOD HALL」は、阪急商業開発が運営していた「モザイクダイニング四条河原町」を一部飲食テナントを含めて引継いだものであるため、住友不動産グループ主導によるビル全館の再生も期待される。

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