東京都千代田区の靖國通り・九段下駅前にある歴史的建造物「九段会館」(軍人会館)の解体工事が本格化し、11月より建物全体が防音壁に覆われている。
九段会館。
旧・軍人會館、歴史の舞台として知られる
九段会館は1934年に「軍人會館」として竣工。
洋風の建物に瓦屋根を乗せた「帝冠様式」が特徴で、屋上には靖國神社を分神した神社も設けられた。
1936年には二・二六事件の戒厳司令部が設けられている。
1945年にGHQにより進駐軍の宿舎となったのち、1953年に日本遺族会が運営する「九段会館」となった。
しかし、2011年の東日本大震災で天井が崩落。2名の死者を出して閉館。土地と建物が国に返還されていた。
17階建てオフィスに-建物の一部を保存へ
建て替えをおこなうのは東急不動産と鹿島建設が共同出資する「ノーヴェルグランデ」。
2018年3月に国との間で合意書を締結し、春から70年間の定期借地による再開発に着手。11月からは建物が完全に覆われることとなった。
再開発後は地上17階、地下3階の建物が建設される。
新たな建物の完成予想パース(東急不動産リリースより)。
そのうち、外壁と一部内装は九段会館のものが再活用され、宴会場、カンファレンスセンター、シェアオフィス、店舗などとして活用される。
また、新築される高層棟はオフィスとなる。
2022年7月の竣工を目指して工事が進められる。
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