クリスピークリームドーナツ新宿サザンテラス店、1月閉店-閉店続くクリスピークリーム、日本1号店も

店舗数国内2位のドーナツチェーン店「クリスピークリームドーナツ」は、日本進出1号店の新宿サザンテラス店を、店舗の賃貸契約満了に伴い2017年1月3日で閉店すると発表した。修学旅行で撮ったやつクリスピークリームドーナツ新宿サザンテラス店。

社会現象にもなった「クリクリブーム」の原点

クリスピークリームドーナツ新宿サザンテラス店は2006年12月に開業。当時はドーナツ界の新たな「黒船襲来」として絶大な注目を集め、ドーナツを購入するためにはテーマパークのアトラクション並みの長い行列と待ち時間を要した。
サザンテラス店で成功を収めたクリスピークリームドーナツは、2007年10月に有楽町に日本2号店をオープン。その後は立川や船橋、横浜といった東京近郊にも進出し、新規出店の度に数時間待ちの行列が出来る“社会現象”とも言えるブームを巻き起こした。最終的には広島県や福岡県といった地方都市にも出店し 、ミスタードーナツ1強の業界に風穴を開ける勢いで店舗網の拡大を続けた。

地方からの一斉撤退、一転して縮小路線へ

その甘さで人々を魅了して来たクリスピークリームドーナツだったが、現実は甘くはなかった。拡大路線とは裏腹に、大都市でのブームは下火となり、ドーナツ欲しさに長蛇の列をなす人々の姿は既になくなっていた。そして2016年1月、岡山市と福岡市の店舗が全面撤退すると、2月には広島県と京都府からも全面撤退。その後も撤退は続き、西日本では兵庫県から大分県の間に店舗が全くなくなるなど、これまでとは一転し、縮小路線へと舵を切り始めた。krispykreme_tenjinchikagai2月に撤退した福岡天神地下街店。

コト消費型や催事拡大で10周年迎えるも
あまりに呆気ない1号店の幕切れ

その後、クリスピークリームドーナツは首都圏への経営資源の集中を進め、9月にはイオンタウンユーカリが丘(千葉県佐倉市)にキッズスペース付きの新店舗を出店。ドーナツにチョコペンで絵を描ける「キッズデコセット」を同店限定で販売するなど、従来にはなかった「コト消費型」の店舗づくりを始めた。P1040334キッズスペース付き店舗が出店したイオンタウンユーカリが丘。

また、地方への催事にも積極的に投資し、9月には十字屋山形店(山形市)に「山形県初上陸」として6日間限定で出店。「名前は知っていたけど買えなかった」という地方住民の需要に応えるため、百貨店やショッピングモール内に期間限定で出店することにより、手堅く支持を獲得している。Saiji-JUJIYA地方への催事にも積極出店。(写真は十字屋山形店)

そのような中で、節目の日本進出10周年を迎え、12月22日には市川駅ビル「シャポー市川」内に新規出店するなどようやく体制を持ち直してきたと思われた矢先の1号店の閉店。店舗の契約満了に伴うものとは言え、かつて一時代を築いたクリスピークリームの「原点」の幕切れは、あまりに呆気ないものとなった。

外部リンク:Krispy Kreme Doughnuts | 新宿サザンテラス店
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